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【大相撲】

まるで野村監督みたい… ID相撲でツルギショー!

2019年10月31日 紙面から

剣翔(右)に吊り上げられて苦悶の表情を見せるはなわ

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◇はなわの相撲ヲタク対談

 新入幕の秋場所で10勝を挙げる活躍を見せ、敢闘賞を受賞した剣翔(28)=追手風。「ぼくはアンパンマンより、ばいきんまん。ばいきんまんはトドメをささないだけで、ほんとは強い」とヒール全開の発言をしていたのですが、はたして…。その人物像に、はなわさんが迫ってきました。 (構成・岸本隆)

◆あきらめたふり…心理戦で頭フル回転

 はなわ「新入幕の秋場所は大活躍。三賞おめでとうございます!」

 剣翔「ありがとうございます。秋場所後は知り合いの方から食事に誘っていただいて、シャンパンで乾杯してもらいました」

 はなわ「よかったですねえ」

 剣翔「そうなんですけど、その15分後、同じ店に秋場所で優勝した御嶽海関が来たんです。『優勝おめでとう!』って始まっちゃって。恥ずかしくなりました(笑)」

 はなわ「今の活躍からは考えられないんですけど、日大相撲部では練習より遊びの方に傾いた時期もあったとか」

はなわ(左)とスマホで秋場所の動画を見ながら、取組を解説する剣翔

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 剣翔「高校が埼玉栄で厳しかったんです。ジュースもお菓子もダメ、携帯電話も禁止。卒業式が終わって、その日に相撲部の寮に入ったんですけど、ジュースは飲めるわ、お菓子は食えるわで。爆発しちゃって、1年生から」

 はなわ「大学にはちゃんと通った?」

 剣翔「授業は相撲部の寮がある阿佐谷から、まず電車に乗って新宿へ向かうんです。そこで乗り換えるんですけど、右へ行けば乗り換え、左へ行けば改札口ってところで、改札から出て遊んでました(笑)」

 はなわ「やること豪快ですねえ。でもプロに入った」

剣翔(右)と握手するはなわ=東京都足立区で(北村彰撮影)

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 剣翔「1、2年生のとき遊んじゃって、強くはなれないですよね。お相撲さんになる気持ちはなかったんです。だけど、4年生になってこれからどうしようって。勉強もしてないし、相撲をやるしかない。どうせやるなら実業団じゃなくて、プロにいかないといけないと思って。追手風部屋は遠藤関もいましたし、稽古がきつくて有名だったので」

 はなわ「プロでは熱心に稽古を」

 剣翔「関取に上がるまでは毎日、メチャクチャやらされました。大学で稽古をしてないんで、体が動かなくて。でも半年くらいで慣れました」

 はなわ「序ノ口でデビューしてから20連勝はさすが。技術も天下一品と聞いてます」

 剣翔「そんなことないんですけど、相撲は好きですね。学生時代は各地方から集まってくるじゃないですか。みんな相撲の型が違うんで、みんなに技術的なことを聞くんです。土俵際の逆転も好きですね」

 はなわ「10勝目を挙げた13日目の宝富士戦がそうでした」

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 剣翔「あれは、『あきらめましたー』っていう死んだふり。実は耳元でも『アアッ、アアッ』みたいに声を出して。もうダメだって顔をしたりして(笑)。ちょっとずつ下がるんです。1回、おなかに乗せて、投げ。持ち上げて左を返せばひっくり返るんです。最後に100%出すんです」

 はなわ「はあー、なるほどねえ。その短い間にそんなことが。心理戦ですね。力と力だけじゃないんですね」

 剣翔「頭で考えることは多いですね」

 はなわ「なんか(プロ野球の)野村監督みたいなところがありますね。相撲を研究しまくって。まさにID相撲です。細かい計算をされてますねえ。今までにいないお相撲さんのタイプではないでしょうか。遠藤関より人気者になりそうな気がします。しゃべりも面白いですし」

 剣翔「人気は無理っすよ(笑)。ぼくが大関に上がってどうかなって感じじゃないですか」

 はなわ「大関を目指しましょう! そういえば秋場所中に『ばいきんまんを目指す』っていう発言がありました」

 剣翔「ばいきんまんを目指してるわけじゃないんですけど、炎鵬関とか人気がある力士なんかと対戦するときは、みんな向こうを、アンパンマンを応援するじゃないですか。(秋場所7日目に寄り切りで炎鵬に勝ったときは)館内がすごいため息。『アーッ…』って感じで。たまに『ツルギショー!』っていう応援してくれる人がいる。みんな炎鵬を応援している中で、自分のことを応援してくれる人のために頑張りたいんです。ヒーローはプレッシャーにもなりますし。ばいきんまんの方がかっこいい。朝青龍関とか、ボクシングの亀田3兄弟とか。ヒールも人気ありますよ」

 はなわ「九州場所は楽しみですね。番付も上がりました。もっともっと番付上げていってほしいです」

 剣翔「相撲界にいる限りは横綱を目指したいと思いますけど、目標としてはまずは九州場所の勝ち越しです。上位はみんな強いですから」

 はなわ「ID相撲、コンピューター相撲じゃないですけど、関取にはそういうのがまだまだいっぱいありそうですね。番付を上げて、どんな相撲を見せてくれるのか、ほんとに楽しみです」

◆<はなわの独り言>大学時代は遊んでいたので話は面白い

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 大学時代は遊んでたってことでしたけど、そんなことも現在に生かされてるんじゃないかって思わされました。話は面白いですし、対応もしっかりされてます。

 芸人も同じなんですよね。遊んでたり、社会人の経験があったりした方が、ネタが豊富だったりするんです。

 剣翔関は自分のことをヒールっておっしゃいますけど、昔かたぎのところもありますし、実はまじめで相撲が大好きなんだってことがよく分かりました。

 ID相撲、コンピューター相撲って言うんですか。ずーっと相撲のことを考えてる。もしかしたらヒールであるということも、その方がいろいろ勝負しやすいとか、関取なりの考え方があるような気がしています。いずれにしても、これから人気力士となっていくのは間違いありません!

<剣翔桃太郎(つるぎしょう・ももたろう)> 1991(平成3)年7月27日生まれ、東京都葛飾区出身の28歳。184センチ、175キロ。本名は安彦剣太郎。埼玉栄高3年で全国高校総体(インターハイ)団体優勝を飾る。卒業後は日大に進学。幕下付け出しの資格を持たず2014年初場所で前相撲を踏み、史上7位タイとなる序ノ口デビューから20連勝を記録した。16年初場所で新十両昇進。19年秋場所で新入幕。得意は右四つからの寄り。

 

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