トップ > 中日スポーツ > 大相撲 > 記事一覧 > 記事

ここから本文

【大相撲】

隠岐の海、貴景勝とも3敗死守

2019年9月22日 紙面から

貴景勝(左)が押し出しで竜電を破る

写真

◇秋場所<14日目>

 (21日・両国国技館)

 優勝争いは3敗を守った御嶽海(26)=出羽海、貴景勝(23)=千賀ノ浦、隠岐の海(34)=八角=の3人に絞られた。千秋楽で貴景勝と隠岐の海が対決し、御嶽海は遠藤と当たる。御嶽海は注文相撲で豪栄道に勝ち、貴景勝は竜電に完勝。隠岐の海も遠藤を破った。栃ノ心は負け越し、2度目の大関陥落が決定。十両は勢が優勝した。

   ◇

 3人に絞られた千秋楽決戦へ、景気付けの圧勝だった。貴景勝が立ち合いから竜電を圧倒し、電車道で押し出して11勝目。昨年九州場所以来、2度目の賜杯を万全の態勢でつかみに行く。

 脅威的な精神力の強さを、最終盤の土俵で発揮してみせた。13日目に豪栄道に完敗し、連勝が5でストップ。優勝争いでも後続集団に並ばれたが「大関が強くて負けた。自分が間違えたとかはない。5秒くらいの脳の変換で、切り替えることができた」と独特の表現。混戦を演出する黒星を、引きずらなかった。

 2場所連続休場明けで、10勝以上が条件の大関返り咲きを懸けた場所だった。チャンスをつかんだ充実感と自信が「持ってるものが100なら、100を出せれば悔いはない」と平常心につながっている。

 秋場所に向け、本格的に始動した8月27日には「優勝したいよ、それは。みんな無理と思ってるだろうけど」と強気に言い放っていた。大関復帰決定場所での優勝という史上初の結末へ、有言実行の舞台は整った。 (志村拓)

◆遠藤を寄り切るも「負けたと思った」

 遠藤の下手投げにべっとりと砂をつけられた隠岐の海は、負けたと思って土俵から下りようとした。何が何だか分からないまま勝ち名乗りを受ける。遠藤が相手だっただけに「すごいアンチばっかで、肩身が狭かったっす。ぶっちゃけどうでしたか? しょうがないっすよね、覆らなかったから」と苦笑いを浮かべたが、白星を呼び込んだのは前へ前へと攻めた、ベテランのがむしゃらさだった。「うーん、負けたと思ったんで。(審判の)手が挙がってたんすね。先に落ちたのになあ、って思ったけど」。

 勝負がついていたのはその前だった。上手投げからの寄り。そして、寄り。その時点で遠藤の左かかとが土俵を割ったとして、竹縄審判(元関脇栃乃洋)が手を挙げていた。

 その竹縄審判は「かかとが出たと思ったから手を挙げた。それだけ。そりゃあ際どいよ」と微妙なシーンを説明した。まあ、いずれにせよ3敗を死守。初土俵から88場所目、7月に34歳となったベテランが偉業へ挑もうとしている。

 14日目終了時点で平幕力士がトップタイでいるのは、15日制が定着した1949年夏場所以降で3例目。そのいずれも平幕力士が優勝を飾っている。「闘ってますよ。弱い自分が出るんで。負けないように必死で戦ってますよ」。ここまできたら自分との闘いだ。優勝制度ができてからは初、それ以前では第12代横綱陣幕の1867年以来、152年ぶりの優勝を島根に。

 隠岐水産高を卒業後に同高の高専へ進み、20トン未満の船を操縦できる1級小型船舶操縦士の資格を持つ男が、賜杯を目指し最後の航海に出る。 (岸本隆)

隠岐の海が寄り切りで遠藤(左)を破る=両国国技館で(いずれも神代雅夫撮影)

写真
 

この記事を印刷する

PR情報

閉じる
中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ