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【大相撲】

[北の富士コラム]よもやの変化…御嶽海の一番で、すっかり気分が悪くなった。もう寝よう

2019年9月21日 21時57分

御嶽海(上)が突き落としで豪栄道を破る=両国国技館で

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◇21日 大相撲秋場所14日目(両国国技館)

 優勝は隠岐の海、御嶽海と貴景勝に絞られた。まず隠岐の海と遠藤の一戦。左の相四つだけに割合すんなりと左四つに組み合った。体力では隠岐の海が勝るが、腰の安定感と四つ身の巧さは遠藤の方が多少上回る。勝負が長引くと不利と見た隠岐の海が、上手投げで遠藤の体勢を崩し、強引に寄る。下手投げを打ち返し、残す遠藤。土俵際の攻防は激しいものがあった。

 これぞ相撲の醍醐味(だいごみ)である。息を飲む攻防に観衆の拍手が湧き起こった。しかしここで行司の勝負ありの声がかかり、軍配は高々と隠岐の海に。西の審判員が早々と手を挙げていたのである。両力士ともキョトンとし、お客さまも何が起きたのか分かっていない。 竹縄審判の目前だから、よもや見間違えはあるまいが、釈然としない相撲ではあった。こんなときは審判長が、そのあたりを説明しても良くはないだろうか。それもファンサービスの一環であろうかとも思う。

 何はともあれ、隠岐の海が虎の子の3敗を守り、千秋楽は優勝をかけて世紀の一番を取ることになった。貴景勝は竜電を一気に押し出して3敗を守る。実に落ち着いている。あれが平常心というやつか。立派。 御嶽海は豪栄道との対戦。観衆は固唾(かたず)を飲み、熱戦を期待して土俵に注目する。しかし立ち合い、御嶽海があろう事か右に大きく体を開いてはたき込んだ。よもやの変化に豪栄道はたまらず土俵に転がった。期待が大きかっただけに見る者の落胆は大きい。館内は一瞬のうちにしらけてしまう。

 御嶽海という力士は、いつの場所も人気の高い力士である。応援のタオルの多さと声援の大きいことは角界随一でもある。次期大関の呼び声も高い力士が、今場所最大の見せ場に立ち合いの変化とは、何という相撲を取るのか。一体、こんな勝ち方をして誰が喜ぶというのか。実に情けないことだ。私の中で御嶽海に抱いていた好印象が、音を立てて崩れてしまった。おまけに、逃げて何が悪い、と顔に書いてあったのは気のせいか。まあせいぜい好きなようにしなさい。

 今、情報が入った。千秋楽、隠岐の海は貴景勝、御嶽海は遠藤と対戦することが決まった。当然、隠岐の海を応援するが、貴景勝の押しは残せないかもしれない。もし、まわしを引いたら勝てる。御嶽海は遠藤戦。私は遠藤に勝ってもらいたい。せっかく面白い結末となっていたのに、結びの一番ですっかり気分が悪くなった。もう寝よう。それから13日目の私の駄句、「秋恋し」となっているが、あれは「秋高し」の間違いであります。直したところでたいして代わり映えはないが、一応プライドがあります。(元横綱)

 

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