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【大相撲】

[北の富士コラム]貴景勝は「ラストサムライ」 ここまでくると大関復帰間違いなし

2019年9月18日 21時32分

傘をさして国技館に入る貴景勝

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 11日目を終えて、優勝争いはかなり絞られてきたようだ。2敗の明生は小兵の石浦に全く力を出すひまを与えず、一気に寄り切って快勝した。伸び伸びと、自分の相撲を取りきっている。雑念がないのが良い。

 隠岐の海は、優勝の意識は十分すぎるほどある。立ち合いから踏み込みよく前に出たが、剣翔の重い腰を攻めきれず、肩すかしで敗れた。これで3連敗。あっという間に優勝争いから遠のいた。それでも、望みはまだ残されている。めったにないチャンスだから諦めてはいけない、と言いつつも、私の方は既に諦めている。ごめんなさい。

 2敗だった朝乃山も、北勝富士のしつこい押しに屈して3敗となった。十分になりかけたが、北勝富士は徹底的に左から攻めたのが功を奏した。朝乃山にとって実に痛い3敗目で、一歩後退。しかし、まだ望みはある。

 私はひそかに御嶽海を買っていたのだが、伏兵の竜電に土俵際まで攻めながら、うまく回り込まれて逆転された。明らかに詰めを誤ったと言ってよいだろう。竜電は、柔らかい足腰と懐の強さは上位陣に十分通じるものを持っている。こんな力士をなめてはいけない。

 2敗力士が次々と負けてしまったが、貴景勝はぬかりなく不調の栃ノ心を送り倒した。10日目の一番で右膝が空足(からあし)気味になって一瞬ひやりとしたが、その心配は無用であった。

 取り口はだんだんと良くなっている。2連敗の時は立ち合いの当たりが悪かったが、すっかり元に戻った。たいした根性である。決して弱音ははかない、言い訳はしない。見上げたものだ。「屋根屋のふんどし」である。

 愛読書は「葉隠」。昨夜、読んだが私にはさっぱり分からん。あえて言うなら、貴景勝は「ラストサムライ」と呼ぶにふさわしい男だ。大関復帰は、ここまでくると間違いないだろう。優勝にも一番近い存在と言ってよい。しかし、すんなりとはいかないとも思える。3敗までは圏内である。もう一波乱あるかもしれない。どうぞ、お楽しみを。

 外は冷たい雨。こんな夜は静かに本でも読もうか。それとも、俳句でもひねろうか。かっこいい!(元横綱)

 

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