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【大相撲】

[北の富士コラム]井筒親方が急死、あまりにも早すぎる… 今は冥福を祈るばかりである

2019年9月17日 20時29分

横綱昇進の伝達式を終え、会見する井筒親方(左)と鶴竜=2014年3月26日

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 井筒親方が急死された。弱冠58歳。あまりにも早過ぎる。ここ数年というものは、働き盛りの親方たちが続けて亡くなっている。若いころの無理が原因という人もいるが、それはないだろう。激しい稽古と飲酒が挙げられるが、井筒親方はそれほど飲む人ではなかったと聞いている。過度の飲酒なら、私はとうの昔に死んでいるだろう。これも運命、寿命と思うしかない。

 ここで私は鶴竜の休場に際し、厳しく追及したが、思えば師匠の病状に心を痛め、相撲に専念できなかったのではないかと思い、反省している。もし、そうだとしたら、心無いことを言ってしまった。今は井筒親方の冥福を祈るばかりである。

 気を取り直して混戦状態となった10日目を振り返る。1敗の明生がうまい具合に十分の右四つ、相手に上手を取らせない絶好の体勢となったが、不用意な上手投げを打って、相手を懐に入れて剣翔に反撃を許したのは、まことに残念であった。

 前に出る相撲で星を積み重ねてきた明生は、無謀な投げで墓穴を掘った。やはり知らず知らず優勝を意識するあまり、勝ち急いでの失敗であった。

 同じ隠岐の海も優勝する気は満々、立ち合いも良く踏み込み、珍しく積極的に左差し、右から攻め、一気に寄る。ここまでは言うことなし。佐田の海が巻き替えて、逆に攻め立てる。右上手の取れない隠岐の海は懸命に残し、弓なりになりながらも、うっちゃりで執念を見せる。しかし、体が割れずに寄り倒された。これで2敗も、まだ優勝のチャンスは残されている。本当の勝負はこれからである。栄光は自力で勝ち取れ。はっきり言わせてもらえば、隠岐の海にとって最後のチャンスである。

 と、明生と隠岐の海にエールを送りながらも朝乃山、御嶽海、貴景勝の充実した相撲を見てしまうと、どうしても優勝はこの上位3人に絞られてしまう。ましてや彼らは優勝経験があるだけに、どこか余裕がある。しかし、勝負は水ものである。何が起きるかわからない。

 両横綱が不在でも、連日満員札止めが続く。横綱がいないほうが、誰が優勝するかわからない。そのほうが面白いという声も大きい。残る5日間、その混沌(こんとん)の優勝争いを十分に堪能していただきたい。

 炎鵬も4連敗は免れた。よく考え、合口の悪い琴恵光に勝った。あともう少しだ。頑張れ!

 ところで、昨夜は焼き肉を食べ過ぎて腹の調子が良くない。年寄りには脂身の多い肉は駄目みたいだ。今夜はカレーでも食べようかな。それでは、ごきげんよう。(元横綱)

 

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