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【大相撲】

[北の富士コラム]3連敗も炎鵬はよくやっているよ V争い混沌、本命不在かえって面白い

2019年9月16日 23時15分

東龍(手前)に浴びせ倒しで敗れた炎鵬

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◇16日 大相撲秋場所9日目(両国国技館)

 9日目はラジオ解説。どちらかと言うと、ラジオの方が気楽でよろしい。若手のアナウンサーにたくさん、しゃべってもらい、私は好きな相撲に集中する。鶴竜も妙義龍も姿を消して一見、さびしくなったかに思えたが、どうしてどうして、なかなかの熱戦が多かった。

 炎鵬は注文通り、左を深く差してもぐりこんだ。東龍は両上手を引き、強引に抜き上げようとする。これはいくら何でも強引すぎる。炎鵬は盛んに下手投げのチャンスを狙うが、用心深い東龍は投げを打たない。明らかに打ち返されるのを知っている。過去の経験がそうさせたのだろう。

 だが、長引いては面倒とばかり、東龍が勝負に出た。両上手を引きつけて寄ると炎鵬は軽量の悲しさで、懸命に体勢を低くしても軽いものは軽い。苦しくなって起死回生の下手投げで逆転を図るが、腰が砕けるように倒れる。それでも、すさまじい執念で投げを打ち続ける。

 軍配は炎鵬か。そのあたりは私も分からない。物言いがついたが、割合、あっさりと決着した。どうやら、炎鵬の体はすでに死に体と判断されたようだ。

 この手を打たれると炎鵬は苦しくなる。これで3連敗。勢いは止まりかけている。10日目こそ踏みとどまるところだ。4連敗は絶対に避けたいところだ。でもよくやっているよ、炎鵬は。

 隠岐の海もくみしやすしと見られた竜電に敗れた。すでに、隠岐の海本人は優勝を意識している。まだ1敗。これから誰と対戦するかは分からないが、誰が相手でも勝てない相手はいないはずだ。まだまだチャンスはある。もし、10日目も負けるようだと優勝の確率は低くなるだろう。

 御嶽海も、本日の相撲を見ると大したことはない。ここで急浮上するのが貴景勝である。この2日間の相撲は、優勝した時の相撲に戻っている。

 朝乃山も何度も窮地に立たされたが、奇跡のような逆転勝ちは見事であった。この一番でさぞかし自信をつけるに違いない。大きな体の割に、強靱(きょうじん)な足腰の強さはまさに大器である。いっそう混沌(こんとん)としてきた優勝争いは、横綱、大関がいない分、かえって面白いものになりそうだ。

 今夜はこのあたりで失礼。友人が来たので、今から焼き肉でも行こうと思っている。それでは、ごきげんよう。(元横綱)

 

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