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【大相撲】

10度目の正直 炎鵬、涙の勝ち越し 「苦しかった…」

2019年7月21日 紙面から

炎鵬(右)が寄り切りで妙義龍を破る(伊藤遼撮影)=ドルフィンズアリーナで

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◇名古屋場所<14日目>

 (20日・ドルフィンズ アリーナ)

 西前頭14枚目の炎鵬(24)=宮城野=が妙義龍に勝ち、入幕2場所目で初の勝ち越しを決めた。1敗だった横綱陣は、鶴竜(33)=井筒=が御嶽海を厳しい攻めで下して1敗を守ったが、白鵬(34)=宮城野=は琴奨菊に力なく寄り切られて2敗目を喫した。琴奨菊は3個目の金星。鶴竜は千秋楽の白鵬に勝てば、7場所ぶり6度目の優勝が決まる。新小結阿炎は7勝目を挙げ、勝ち越しへ望みをつないだ。十両は剣翔が初優勝した。

   ◇

 実に10度目の正直で炎鵬が、8勝の壁をぶち破った。3度目で成立した立ち合いから、小兵らしく妙義龍の上体を起こすように攻め続け、もろ差しに。最後は力強く寄り切り、幕内初の勝ち越しを決めた。土俵下で何度も目元をぬぐい、待ち望んだ節目の白星をかみしめた。

 「苦しかったですね…。なかなか勝てなくて、勝つ難しさや一勝の重みを感じていた」

 心身共にギリギリの状態だった。新入幕だった夏場所は7勝2敗で給金直しにリーチをかけながら、終盤で悪夢の6連敗。右肩に不安を抱えたまま迎えた今場所も、7勝3敗から3連敗で足踏み。12日目に右足首も負傷していた。

 「何度も心が折れそうになった」という苦境を救ってくれたのは、兄弟子たちの激励だった。同じ小兵の十両石浦からは「勝ち負けじゃなく、楽しんで自分らしくいけ」と夏場所から声を掛け続けてもらった。

 さらに、白鵬からは「きょう(14日目)負けたら、帰ってくるな」とドキッとするような激励を受けた。取組後の支度部屋、勝ち越しを報告すると取組前の集中タイムながら「おめでとう」とひと言。そしてがっちり握手。自身を「人生一度きり。相撲は今しかできない」と角界に導いてくれた横綱へ、最高の恩返しになった。

 連敗中、下を向きがちだった視線は真っすぐに。苦悩の表情は、万感の涙を経て笑顔に変わった。「まだ1番ある。しっかり取り切る」。山あり谷ありの15日間を、勝って締めくくる。 (志村拓)

 

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