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【大相撲】

10日目までの栃ノ心はどこかへ行ってしまった

2019年5月24日 紙面から

◇北の富士評論「はやわざ御免」

 栃ノ心は明生にも敗れ、手痛い3敗目を喫してしまった。抜群の安定感を誇っていた栃ノ心は、今や完全に別人と化してしまった。平幕で、しかも初顔。どこから見ても負ける相手ではない。それが負けたのだから、さあ大変。

 11日目の阿炎戦では気負い込んで相手の術中にはまり、この日は見て立って失敗を犯した。もう、すでに10日目までの栃ノ心はどこかへ行ってしまった。大関復帰は、口で言うほど簡単ではないことがよく分かる。

 13日目の相手は朝乃山である。できることなら、ぜひ勝っておきたい。いや、絶対に勝たねばならない。残るは横綱・大関戦ばかりだ。決して勝てない相手ではないが、精神面への負担が大きいのは栃ノ心の方である。

 しかし、苦しいのは栃ノ心ばかりではない。鶴竜は優勝を義務付けられているし、大関も非難ごうごうの土俵が続いている。だから「皆、頑張れ」と言うしかない。

 もう一人、声を大にして「頑張れ」と言いたい力士がいる。そう、炎鵬です。この日も阿武咲に厳しく攻められ、ぐしゃりとつぶされた。彼も、あと1勝が届きそうで届かない。しかし、たとえ負け越しても十両に落ちることはないので、気を楽に持った方が良い。あと1勝くらい、何とかなるだろう。

 人のことだから何とでも言えるが、お相撲さんは大変だ。この日も、テレビで力士たちに文句ばかり言ってしまった。反省はしているが、仕事だから勘弁してもらいたい。私も、現役のころは解説の親方衆が嫌いであった。まさか、その俺が解説者になろうとは夢にも思わなかった。人生って、不思議なものである。何だか、美空ひばりさんの歌みたいになってしまった。

 この日は相撲場から錦糸町のすし店に直行して一杯やってきた。いつもは原稿を書いてから飯を食うのだが、あまりに腹が減ったので飯を先に食べた。しかし、これは失敗だった。少しの酒にすっかり酔って、原稿を書くのがおっくうになり、ひどい原稿になってしまった。私が悪いのではなく、酒が悪い。そんなわけで、締め切りがもうすぐだ。辛うじてセーフだった。13日目からは、しらふで仕事をします。ごめんなさい。 (元横綱)

 

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