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【大相撲】

情けなくて涙も出ない… 横綱、大関の負け方があまりにひどすぎる

2019年5月23日 紙面から

◇北の富士評論「はやわざ御免」

 いったい今場所はどうなってしまうのか。横綱、大関が全員負ける大醜態を演じてしまった。横綱、大関といえども人間だから、負けることもあろうが、負け方があまりにもひどすぎる。情けなくて涙も出ない。あきれて腹も立たないと言いたいが、そうはいかない。

 あきれて原稿を書く気もないが、仕事だから仕方ないので覚悟して聞いてもらおう。栃ノ心が阿炎に負けたのが、そもそもの発端である。栃ノ心は相手の術中にまんまとはまってしまった。大関復帰を意識しすぎてしまったようだ。実に痛恨の1敗で優勝どころの話ではなくなった。

 豪栄道は張り差しを封印してから立ち合いが良くなっていたが、竜電の懐の深さと柔らかい体に攻め手を失った。引いた竜電は、体を十分に開き、上手出し投げで大関を投げ飛ばした。実に鮮やかに決まったが、遠藤が栃ノ心戦で見せた投げに良く似ていた。竜電の意外な強さに驚かされたが、豪栄道の負け方のほうが気になる。こんな負け方は、大関の名が泣く。せめて10番は勝たねば、大関とは言えない。

 高安も碧山に一方的に攻められ、土俵下まで吹っ飛ばされて4敗目となる。高安も豪栄道も今場所も大関の責任を果たすことはできなかったと言って良いだろう。あと4日も残しているのに、すでに蚊帳の外とは、あまりにも情けない話ではないか。せいぜい残る相撲を頑張ってもらいたいものだ。

 バタバタ目の前で負ける大関を見て、鶴竜も平常心をなくしたかのように、前日までの堅実な相撲とはほど遠いお粗末な取り口を見せてしまった。妙義龍の鋭い当たりと気迫に圧倒され、最もやってはいけない禁じ手をさらけ出してしまった。

 立ってすぐ、それほど攻められてもいないのに、いきなり首に手を掛け、引いてしまった。信じられないような悪手である。これでは、妙義龍でなくても前に出るだろう。一気に押されると土俵下まで落ちてしまった。やはり癖というものは、一朝一夕では治らぬものらしい。

 これで2敗となり、表向きは面白くはなったが、あまりにもひどい横綱と大関の相撲内容では、場所が白けてしまうような感じがしてならない。

 幕内の下位で、小兵力士や朝乃山たちが頑張っているのに、肝心の看板力士があのざまでは、決して良い場所とは言えないと私は思う。あと4日、しっかりやってくれ。

 炎鵬は勝ち越しならず、残念だったが驚異的な足腰を見せて健闘した。朝乃山は素晴らしい速攻で1敗を守った。物言いがついたが。あのつま先は踏み越してはいない。素早くつま先を持ち上げていた。勘のさえている証拠である。長い協議だったが、逆にならなくて良かった。それより阿武松審判長、相変わらず面は良いので私は好きだが、少し落ち着いたら。 (元横綱)

 

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