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【大相撲】

朝乃山、令和勝ち越し1号 自己最速タイ、験担ぎで禁酒

2019年5月21日 紙面から

朝乃山(右)が寄り倒しで竜電を破る=両国国技館で(大泉謙也撮影)

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◇夏場所<9日目>

(20日・両国国技館)

 5日目から休場し、8日目に再出場した新大関の貴景勝(22)=千賀ノ浦=が、右膝痛を理由に再び休場した。大関が1場所に2度も休場するのは1956年秋場所の若ノ花(後の横綱初代若乃花)以来、63年ぶり2人目。異例の再出場からわずか1日での休場に、周囲からは厳しい意見が出た。不戦勝だった関脇栃ノ心(31)=春日野=は勝ち越しが決定。横綱鶴竜(33)=井筒=と西前頭8枚目の朝乃山(25)=高砂=も1敗を守った。

 令和初の幕内勝ち越しにも、朝乃山はひたすら平常心だった。低い当たりの立ち合い。はたきは不発だったが、得意の右差しから攻めを組み立て直し、対戦前まで1勝5敗と苦手にしていた竜電を豪快に寄り倒した。土俵下に突っ込んだが、冷静に節目の勝ち名乗りを受けた。

 「(テレビ中継の)インタビューで、令和初の勝ち越しと言われて『あっ』と思ったけど。心の中では平和…じゃなかった、平成だったんで」。平成イコール平静? 言い間違いも含め、支度部屋ではちゃめっ気たっぷり。冷静な心理状況を振り返った。

 春場所は10日目に早々と勝ち越しにリーチをかけながら体調を崩し、そこから5連敗で負け越し。「15日間は長いので」と悔しさを胸に、今場所前から禁酒を続けている。気分転換の一杯は、炭酸飲料で代用。前日は外食でシャンパンを出されたが「すすっただけです。飲んだうちに入らない」と験担ぎを継続した。

 9日目での給金直しは、11勝を挙げて敢闘賞を受賞した昨年の名古屋場所と並ぶ自己最速タイ。一番を見守った藤島審判長(元大関武双山)は「ぼちぼち上(の番付)に来てもいいのでは。組めなくても、前に前にという姿勢が出ている。将来性のある力士ではないか。今場所に限らずね」と飛躍を予言する。

 絶好調で優勝争いの一角に食い込み、楽しみにするのは上位挑戦だ。自己最高位タイの西前頭5枚目だった昨年九州場所は、結びの一番も経験。豪栄道にはね返されたが、再チャレンジの機会を待ち望んでいる。

 「勝ち負けを気にせず、思い切っていくだけ」。無心の25歳が、新時代の土俵で台風の目になる。 (志村拓)

 

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