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【大相撲】

貴景勝やっぱり無理… 変化にばたり3敗、再び休場へ

2019年5月20日 紙面から

碧山(右)にはたきこみで敗れた貴景勝=両国国技館で(平野皓士朗撮影)

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◇夏場所<8日目>

 (19日・両国国技館)

 再出場した大関貴景勝(22)=千賀ノ浦=は碧山の注文にはまって3勝3敗2休となり、9日目から再休場の可能性が浮上した。横綱鶴竜(33)=井筒=は平幕玉鷲(34)=片男波=の押しに屈し、金星を与えて初黒星。大関復帰を目指す栃ノ心(31)=春日野=も遠藤に不覚を取って土がつき勝ちっ放しが消えた。1敗は平幕朝乃山を加えた3人。

      ◇

 相撲にならなかった。4日目に右膝を負傷し、中3日で再出場した貴景勝は、過去3戦全勝の碧山相手の変化に対し、テーピングでがっちり固めた右脚を前に出せない。上体が前のめりになったところを、あっさりはたき込まれ1秒足らずで倒れ込んだ。1つの不戦敗を含む3敗目。厳しい現状が浮き彫りになった。

 「いつも通りっす。万全じゃないですか」「自分が弱いから(変化に)かかっただけ」

 支度部屋に戻った貴景勝は、決して弱みを見せなかった。しかし、言葉とは裏腹に本調子からほど遠いのは、取組前の所作からも明らかだった。膝への負担をなるべく避けるように、落ち着きなく足踏み。そんきょも相手より先に立っていた。

 土俵下で一番を見守った高田川審判長(元関脇安芸乃島)は「出たからにはちゃんとした所作でないと、相手にも失礼。出たことで、もし大きなけがをしたら、相撲人生にかかわる」と手厳しかった。

 治療に専念し、名古屋場所でのかど番脱出に懸けるべきだという声は、新大関にも届いていた。だが、強行出場を選んだ。「休むのは簡単。今までそんな逃げ方は、してこなかった。嫌な経験が、精神的にも強くしてくれる」と、今後の糧にしようという決断だった。この日は変化による短い相撲だったのが、せめてもの救い。上位戦を控える中、22歳の未来を閉ざしかねないダメージを、いつ負っても不思議ではない。

 前師匠の元貴乃花親方(元横綱)は「土俵に上がって生き様を、今場所の残りの相撲でどれだけ教えてくれるか」と期待。新大関も応じるように「全部勝つ。まだ終わったわけじゃない」と言い切った。

 夜になると事態は急変した。打ち出し後に東京都台東区の千賀ノ浦部屋で取材に対応した千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)は、貴景勝に「相撲人生は長いから、我慢して無理はするな」と伝えた事を明かし、再休場の可能性を示唆した。昭和以降、再出場した横綱、大関が再休場した例はない。9日目の朝、最終決断となるが、新大関の場所で、いきなり貴景勝が苦渋の決断を強いられることになった。 (志村拓)

 

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