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【スポーツ】

[箱根駅伝]「やっぱり大作戦」大成功! 青学大・原監督、「君臨型」で挑んだ今シーズン

2020年1月4日 紙面から

1位でゴールする青学大のアンカー・湯原慶吾(手前左から2人目)を迎える青学大の原晋監督(中央)と選手たち=東京・大手町で=神奈川県小田原市で(武藤健一撮影)

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◇第96回箱根駅伝<第2日>

 ▽復路▽3日▽箱根・芦ノ湖〜東京・大手町の5区間109・6キロ▽出場21チーム▽スタート時の気象 晴れ 気温1・0度 湿度88% 北西の風0・8メートル

 やっぱり青学大は強かった! 昨年総合2位で5連覇を逃した青学大が10時間45分23秒の大会新記録で2年ぶり5度目の総合優勝を飾った。6区の谷野(やの)航平(4年・日野台)の区間3位を筆頭に、安定した走りで首位を譲らず、9区の神林勇太(3年・九州学院)が区間賞の走りでリードを広げて、そのまま逃げ切った。10区間全てで区間7位以内をキープし、総合力で令和最初の箱根駅伝を制した。

   ◇

 フレッシュグリーンのたすきが、再び1番で大手町に戻ってきた。5度目の優勝に合わせ、原晋監督(52)が5度宙に舞う。「ほんと今年が一番苦労したんですよ。特に4年生には厳しく指導してきた。ついてきてくれて感謝したい」と喜びをかみしめた。

 2年ぶりの総合優勝へ6区で最高の復路滑り出しを演出したのは、都立日野台高出身の谷野だった。日本学生対校選手権1500メートルで3分45秒31秒の自己ベストをマークし、4位入賞したスピードの持ち主。勝負強さと山下りの適性を見いだされての抜てきだった。

 「往路のメンバーの走りを見て、流れを切ってはいけないと思った。緊張とプレッシャーがあったが、今日は気持ちよくスタートできた」。今回の箱根が人生初の大学三大駅伝出走に、身が引き締まる思いがした。監督が「1秒でも引き離したい」と復路のポイントに挙げていた6区を、区間3位の58分18秒で駆け抜けた。

 1学年先輩には4年連続6区を走り、前回は57分57秒の区間記録を打ち立てた山下りのスペシャリスト、小野田勇次がいた。

 「小野田さんの記録はもちろん意識していた。優勝するためには、それに近い走りをしなければならないと思っていた」

 最初はペースを抑えつつ、持ち前のスピードを生かしながら、冷静に山を下る。6区はラスト3キロまで監督を乗せた運営管理車が後ろに付くことができない。平地で合流し、原監督から「58分半、いけるぞ!」と声を掛けられると、ますます力が湧いた。先輩には届かなかったものの、チームに弾みをつけるには十分の快走だった。

 高校生のトップクラスは5000メートルを13分台で走るが、陸上では無名な日野台高時代の谷野は5000メートルで15分台。「長い距離が苦手だったので、大学で駅伝をやるつもりもなかった。箱根も違う世界のものだと思っていた」。大学に入り1、2年の頃はけがに苦しんだが、3年生からようやく上向きに。最弱と呼ばれた同期たちとともに、原監督から「かっこいい4年生でした」とたたえられた。谷野はこれで競技を終える。都立高校出身の星は、最高の笑みをたたえ、最初で最後の箱根を終えた。

◆原監督会心の笑み「やっぱり指数500%」

 王座奪還を果たし、原監督はしみじみと喜びをかみしめた。「1年間苦労した。今日は飲むぞ」。往路優勝の勢いそのままに、復路は1度も首位を譲らなかった。「6区と9区がキー。8区で耐えて9区で勝負だと思っていた」。8区終盤の難所、遊行寺の坂を岩見が1人で登ってきたとき、勝利を確信した。

 選手の自主性を重んじるこれまでの方針から、今季は「監督が指示、命令を出す『君臨型』の指導を久しぶりにした」。方針の違いなどから4人が辞めた。背景にあったのは新チーム始動時に、現4年生に競技面でも、生活面でも、最上級生としての自覚が足りないと感じたこと。「(下級生は)ついて行きたくないぞ」と厳しい言葉も投げかけたという。

 指揮官が自信を取り戻したのは、千葉県内の厳しいコースでの練習を見た昨年12月だった。「やっぱり勝てる! やっぱり強い!」。テーマに掲げた「やっぱり大作戦」が大成功したこの日、「やっぱり指数は500%!」と会心の笑みを浮かべ、4年生へ何度も感謝の言葉をかけた。 (広瀬美咲)

 

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