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【スポーツ】

[柔道]混沌の男子81キロ級で永瀬が東京五輪へ大きく前進 宿敵破り復活V

2019年11月24日 紙面から

男子81キロ級決勝で藤原崇太郎(左)を破り、優勝した永瀬貴規=丸善インテックアリーナ大阪で(沢田将人撮影)

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◇柔道グランドスラム 大阪大会・第2日

 柔道のグランドスラム大阪大会第2日は23日、丸善インテックアリーナ大阪で男女計4階級が行われ、代表争いが混沌(こんとん)としている男子81キロ級では、銅メダルを獲得したリオデジャネイロ五輪後に故障で苦しんだ永瀬貴規(26)=旭化成=が復活優勝。2大会連続五輪へ大きく前進した。女子70キロ級は大野陽子(29)=コマツ=が2年ぶり2度目の優勝。昨年まで世界選手権2連覇の新井千鶴(26)=三井住友海上=は準々決勝でキム・ポリング(オランダ)に一本負け。敗者復活戦と3位決定戦は制した。第2日には東京五輪代表決定の可能性がある日本選手はいなかった。

 永瀬は試合の流れを読み切っていた。五輪代表を争う藤原崇太郎(日体大)との2強対決となった決勝。「指導がお互い二つ同士。この試合は罰則で勝てるなと。スタミナには自信がある。どこかでラッシュしようと思った」。延長2分すぎ、支え釣り込み足などを立て続けに仕掛け、藤原への三つ目の指導を引き出した。

 「組手で負けて先に技へ入られた。一枚も二枚も永瀬選手が上だった」とは藤原。試合巧者・永瀬らしさが満ちた、反則勝ちでの決着となった。

 2015年の世界選手権を制し、リオデジャネイロ五輪でも3位。81キロ級では国内トップを独走していた永瀬がアクシデントに見舞われたのは17年夏だった。右膝前十字靱帯(じんたい)損傷などのけがを負い、秋には手術。地道なリハビリは1年近く続いた。永瀬は「手術するような大けがは初めて。焦りや不安はあった」と当時を振り返る。

 18年夏に実戦復帰した後は、秋の講道館杯で初戦で敗れるなど勝てない苦しさも経験。「練習でできることが試合で出せない。目の前の相手ばかりで余裕がなかった」。81キロ級では18年世界選手権2位の藤原ら新たな力も台頭した。

 東京五輪会場の日本武道館で行われた今夏の世界選手権。永瀬はスタンドにいた。「あの舞台に立てなかった。この悔しさは来年必ず晴らす」と誓った。膝の回復とともに強さを取り戻し、夏以降は国際大会で4大会連続優勝。男子の井上康生監督は代表争いの現状を「永瀬がリードしている」と認めた。

 永瀬は「陸上のようにタイムはないので、手術前の自分とは比べられない。今はただ、1カ月前の自分より成長したいという気持ち」。完全復活した元世界王者が、リオで取り逃した金メダルへと猛進している。(木村尚公)

 

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