トップ > 中日スポーツ > スポーツ > 記事一覧 > 記事

ここから本文

【スポーツ】

[陸上]京大OBが五輪へ 20キロ競歩で山西利和が淡々と金

2019年10月6日 紙面から

優勝し、日の丸を掲げる山西(榎戸直紀撮影)

写真

◇世界陸上

 【ドーハ(カタール)川村庸介】陸上の世界選手権第8日は4日、当地で行われ、男子20キロ競歩は初出場の山西利和(23)=愛知製鋼=が1時間26分34秒で優勝し、東京五輪代表に決まった。この種目では日本勢初制覇で、同50キロ競歩の鈴木雄介(富士通)に続く今大会日本勢2個目の金メダル。世界選手権で日本勢が1大会で複数の金メダルを獲得するのは初めてで、通算は6個となった。男子400メートルリレー予選で小池祐貴(住友電工)白石黄良々(セレスポ)桐生祥秀(日本生命)サニブラウン・ハキーム(米フロリダ大)の日本は37秒78で2組2着となり決勝に進出。リレーは8位までのチームが東京五輪出場権を得る。

 これほどまでに淡々とした、笑顔無き世界一、五輪代表獲得があっただろうか。男子20キロ競歩、控えめに両腕を広げてフィニッシュテープを切り、コースに向けて一礼した山西は「うれしい気持ちとホッとする気持ちと、う〜ん、まだちょっとやり切らない感じ」と自らの偉業を喜ぶでもなく振り返った。

 完勝だった。午後11時30分の深夜スタートにもかかわらず気温32度、湿度73%と高温多湿下のレース。7キロすぎに独歩に持ち込むと、美しい歩型で後続を突き放す。「もちろん怖い。やっぱりこの怖さから逃げたら何も伝わらない。立ち向かわないとチャレンジしている意味がない」。1人で先頭を歩くリスク、追われる恐怖と戦いながら金メダル、五輪代表へ突き進んだ。

 それでも心からの快哉(かいさい)を叫べない、やり切った感じがしないのはなぜか。「ラスト3キロで行ききれなかった。勝ったけどそれはただ偶然相手が来なかっただけ。やっぱり理想を追い掛けたい」。かつて「大会の結果で報奨金が1億円出るとしてもモチベーションにはならない。自分がそのレースで何をしたいのか、結果をもって誰にどうしたいかまで突き詰めて落とし込まないと妥協してしまう」と語っていた性格故だ。

 京大工学部物理工学科卒にして世界一になり、五輪代表もつかむ究極の文武両道についても「田島直人さんがすでにいるので、僕は二番煎じ」。ベルリン五輪三段跳び金メダルの偉大な先輩を引き合いに、さらりと受け流す。東京五輪へ「より圧倒的な勝利ができるようにチャレンジを続けたい」という理想高き頭脳派ウォーカー。会心の笑顔を見せる日はまだまだ先だ。 (川村庸介)

 

この記事を印刷する

PR情報

閉じる
中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ