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【スポーツ】

[陸上]鈴木亜由子、“スマイル全開”五輪切符 4秒差逃げ切り

2019年9月16日 紙面から

MGC女子で2位となった鈴木亜由子=東京・明治神宮外苑で(潟沼義樹撮影)

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◇マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)

 ▽東京五輪代表選考会▽15日▽日本陸上競技連盟主催▽中日新聞社など共催▽男子8時50分、女子9時10分スタート▽東京・明治神宮外苑発着の42・195キロ▽スタート時の気象、男子=晴れ、気温26・5度、湿度63%、女子=晴れ、気温26・9度、湿度63%

 4秒差で五輪切符をつかんだ! 女子最有力と目されていた鈴木亜由子(27)=日本郵政=が2時間29分2秒で走り、追い上げてきた小原怜(29)=天満屋=をわずかにかわして2位に入り、来年の東京五輪出場権を獲得。女子5000メートルで予選敗退した2016年のリオデジャネイロ五輪に続く五輪での好走を誓った。

 色づく前の明治神宮外苑のいちょう並木。「米屋のあゆちゃん」が苦しみながらも、最後は笑顔でゴールした。「ほっとした。もう一度、五輪に出たいという思いがゴールまで運んでくれた」

 スローの予想とは裏腹に、レースは序盤からハイペースとなった。18キロ過ぎで前田穂南(天満屋)とともに後続を突き放したが、20キロで前田が先頭に出ると、みるみる差を広げられた。

 「後半はかなり苦しい走りになった。笑っているように見えるが、苦しい時に口角が上がる。チームメートは『亜由子さん笑ってる笑ってる。きつそうだな』と見ていたと思う」

 2位争いは最後の最後にもつれた。汗びっしょりになった帽子を脱ぎ捨てて激走。リオ五輪代表を1秒差で逃した小原の猛追を4秒差で振り切り、2度目のマラソン挑戦で東京五輪代表の座を射止めた。

 沿道には名古屋大の恩師も駆けつけた。陸上部の監督だった金尾洋治さん(62)は「泣きそうなくらいうれしい」と教え子の活躍を喜んだ。

 初マラソンの時、鈴木は「マラソンは本能ですか?」と金尾さんにメール。今回も「やっぱり本能ですか?」と相談し、「本能で行け」とアドバイスを受けた。大学時代から「その日の調子は選手自身にしか分からないから、自分のペースを考えながら走ればいい」という意味を込め、本能で走れとよく言われていたという。

 五輪への挑戦は大学時代から始まった。男子選手に混じってスピードを磨き、大学1年だった2010年世界ジュニア選手権の5000メートルで5位入賞。ロンドン五輪を目指したが、日本選手権の5000メートルは10位だった。

 社会人になり、16年のリオ五輪で夢を一つかなえた。そして今回はマラソンで2大会連続出場を決めた。2度目のマラソン挑戦で結果を残し、高橋昌彦監督は「本当によく我慢してくれた」とたたえた。

 これからは、10カ月半後の8月2日を見据えた調整が続く。「身の引き締まる思い。今日の結果では、来年は戦えないと思う。東京で必ず戦えるようにスピードも持久力も上げたい」と鈴木。東京五輪は、この日走ったMGCとほぼ同じコース。来年へ向け、助走を始める。 (広瀬美咲)

<鈴木亜由子(すずき・あゆこ)> 1991(平成3)年10月8日生まれ、愛知県豊橋市出身の27歳。154センチ、38キロ。3人きょうだいの末っ子で、実家は米穀店を営む。小学2年で陸上を始め、愛知県豊橋市の豊城中2年で全日本中学選手権女子800メートル、1500メートルの2冠。愛知・時習館高から名古屋大経済学部へ進み、4年で出場したユニバーシアード女子1万メートルで優勝。2016年リオデジャネイロ五輪の1万メートルは欠場、5000メートルは予選敗退。18年8月の北海道で初マラソンに挑戦し、MGC出場権を獲得。

2位でゴールし、日本郵政グループ女子陸上部の高橋昌彦監督(左)と抱き合う鈴木=東京・明治神宮外苑で(潟沼義樹撮影)

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