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【スポーツ】

[陸上]服部勇馬、無我夢中のラストスパート 大迫抜き去って五輪切符

2019年9月16日 紙面から

MGC男子 2位でゴールする服部勇馬=東京・明治神宮外苑で(内山田正夫撮影)

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◇マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)

▽東京五輪代表選考会▽15日▽日本陸上競技連盟主催▽中日新聞社など共催▽男子8時50分、女子9時10分スタート▽東京・明治神宮外苑発着の42・195キロ▽スタート時の気象、男子=晴れ、気温26・5度、湿度63%、女子=晴れ、気温26・9度、湿度63%

 男子は昨年12月の福岡国際マラソンを制した服部勇馬(25)=トヨタ自動車=が2時間11分36秒で2位となり、東京五輪出場が内定。レース終盤、一時は優勝した中村匠吾(26)=富士通=らに引き離されたが、神宮外苑に設けられたゴールの直前で大迫傑(28)=ナイキ=をかわした。女子は2017年北海道マラソン優勝の前田穂南(23)=天満屋=が中盤から独走して優勝し、東京五輪出場を決めた。

 無我夢中でライバルを抜き去った。激しいデッドヒートで一時は中村と大迫に離された服部。必死に食い下がると、前を走る大迫が振り返ったのを見逃さなかった。「チャンス!」。42キロ直前のスパートで大迫を一気に逆転した勢いのまま2位でゴールに飛び込み、五輪代表を内定させた。

 「必ず2位に入りたいという強い気持ちを持って走りました」とフィニッシュ後にガッツポーズ。「東京五輪のスタートラインに立てることがうれしいです」と顔をほころばせた。

 トヨタ自動車に入社し、「とにかくマラソンで強くなりたい」と決意。ターゲットを東京五輪に定めた。昨年の福岡国際を制した後はコースをこまめに試走。終盤の上り坂がポイントと感じ、後半勝負でくじけないための準備を重ねてきた。

 長野・菅平での合宿では40キロ走の翌日に「箱根駅伝の5区並み」という須坂からの急勾配を登った。チームの本拠地・愛知県田原市での練習では平地で走った後に標高250メートルの蔵王山を登るメニューを提案。長距離への苦手意識を消すため、45キロを走る日もあった。

 過酷な練習が実った。37キロすぎから脚の疲労を感じたが、自信が心を支え、勝負どころの上り坂でもペースを落とさなかった。それどころか、冷静にライバルを見渡し「行く時はガツンと行く」という宣言通り、神宮外苑に入ってから猛スパート。マラソンを始めてからの念願を現実のものにした。

 この日は祖父母の写真が入った妹お手製のお守りとともに東京の街を駆け抜けた。しかし、MGCはあくまでステップ。目指すのは東京五輪でのメダルだ。「しっかり準備をして取り組みたい」。目はさらなる高みに向いていた。 (川越亮太)

<服部勇馬(はっとり・ゆうま)> 1993(平成5)年11月13日生まれ、新潟県十日町市出身の25歳。176センチ、63キロ。中学で陸上を始める。宮城・仙台育英高を経て、東洋大3、4年時には箱根駅伝の2区の区間賞を2大会連続で獲得。大学4年の2016年東京マラソンで初マラソンに挑戦し、2時間11分46秒で12位(日本人4位)。4度目のマラソンだった18年の福岡国際を自己ベストの2時間7分27秒で制し、日本人で14年ぶりの優勝を果たした。18年の日本選手権5000メートルで優勝した弾馬(はずま)は1学年下の弟。

 

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