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【スポーツ】

[エアレース]室屋、ミラクルV 敗者復活から大逆転 最後のレース有終の美

2019年9月9日 紙面から

優勝が決まった瞬間。母国での責任を果たした((c)Red Bull Content Pool)

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◇レッドブル・エアレース世界選手権 第4戦(最終戦)千葉大会

決勝 8日 千葉市・幕張海浜公園特設コース

   ペン=明村馨

 室屋義秀(46)が敗者復活から奇跡の大逆転で今季3勝目(通算8勝目)を挙げ、シリーズのラストレースで有終の美を飾った。開催5年目となる母国の千葉大会は2年ぶり3勝目。ただ、3位に入ったマット・ホール(47)=オーストラリア=が今年の全4戦を終えた総合成績で年間総合王者となり、室屋は3勝を挙げながら1ポイント差でチャンピオンを逃した。 (観衆=2日間合計10万人)

 記者会見の司会者が「エアレース94レースのなかで最もエキサイティング」と絶叫し、室屋自身も「心臓が3回止まりそうになった」と振り返った。それほどの死闘。台風15号の接近で予定を4時間早めて行われたエアレース最終戦は、まさに風雲急を告げる展開となった。

 まず室屋は決勝初戦のラウンド・オブ14(R14)の最初の対戦で、いきなりベン・マーフィー(英国)に競り負けた。その差わずか0・015秒。「10分で終わりなんて」と頭を抱えたが、うまくいけばファステストルーザー(最速の敗者)となって次のラウンド・オブ8(R8)に進出できる。「そのあとはヒート(対戦)ごとにハラハラ」。海岸を埋めた観客とともに残りの12人の予選アタックを手に汗握って見守った。

 そして、連覇に王手をかけていたマルティン・ソンカ(チェコ)の敗退もあって、荒れたR14が終了。結局室屋は敗者のなかで最速となってR8進出が決定。その瞬間、場内モニターには、安堵(あんど)のためへたり込む日本のエースの姿が映し出された。

 続くR8では対戦相手のフランソワ・ルボット(フランス)が好タイムで飛んでいる最中にパイロンカットで自滅。最後のファイナル4は「タイムが落ちた状態では完璧なフライト」と58秒630をマーク。最後に飛んだホールがタイトルを考えて抑えたため、敗者復活からの大逆転劇となった。

 まさに千葉マジック。「今回も観客からエネルギーをいただいた」と海岸を埋めた日本のファンに感謝し、「2008年の準備段階から12年もエアレースに関わって、46歳まで一線で活躍でき、千葉で3回も優勝して幸せだった」とレース人生を総括した。

 「マットと1点差? うーん」。前戦バラトン湖大会では予選3位(1ポイント)が取り消されたが、これがなければホールと同じ81ポイントで、勝利数の差で室屋の2年ぶりタイトルだった。

 「悔しいけど、これがワールドチャンピオンシップ。きょうぐらいはビールを飲んでお祝いして、今後のことはじっくり考えたいな」。日本中にエアレースを知らしめたパイオニアは使命を終えたかのように安堵の笑顔を見せた。

 

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