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【スポーツ】

【柔道世界選手権】阿部詩 秒殺V2 「子ども」から超一流の柔道家へと飛躍

2019年8月26日 23時47分

金メダルを手に笑顔の阿部詩

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 柔道の世界選手権第2日は26日、東京・日本武道館で来年の東京五輪のテスト大会を兼ねて男女各1階級が行われ、女子52キロ級は世界ランキング3位の阿部詩(19)=日体大=が2連覇を果たした。詩の兄で3連覇を目指した阿部一二三(22)=日体大=は準決勝で丸山に敗れ、3位決定戦に勝ち銅メダル。2年連続の「きょうだい優勝」はならなかった。

 これが1年後の歓喜の予告編となるかもしれない。詩の袖釣り込み腰でクズティナ(ロシア)の体がふわりと浮き上がると、日本武道館が沸騰した。「体力も残っていなかった。一番得意な袖釣りを狙っていった」。直前に兄の一二三が敗れたショックも何のその。決勝はわずか30秒で勝負を決め、19歳は笑顔で2連覇の余韻に浸った。

 最大のヤマ場は、リオデジャネイロ五輪金のケルメンディ(コソボ)と初対戦した準決勝だった。パワー自慢のケルメンディに苦戦しつつも、延長3分過ぎに執念の寝技で抑え込んだ。「一番戦ってみたい選手でもあり、勝ちたい選手だった。この勝ちは自信になる」

 初めて練習で組み合ったのは2017年夏のスペインでの国際合宿。当時、高2の詩が乱取りを申し込むと、本来は左組のケルメンディに右組で応じられた。「自分はまだ全然弱かった。めっちゃ子どもだったので『かわいいねえ』みたいな。なめられてるんだなと」。本気モードには程遠く、子ども扱いされた。

 あれから2年。詩は「子ども」から超一流の柔道家へと飛躍した。敗れたケルメンディは試合後、「阿部選手は東京五輪で最大のライバルになる。彼女の柔道は世界一。彼女はレジェンドだ」と最大級の賛辞を贈った。

 4月に日体大へ入学。練習では一二三の技を観察することも多い。お手本でもある一二三との東京五輪での共闘の可能性はまだまだ残っている。「お兄ちゃんが優勝できなかったのは少し悔しいけど、まだ(五輪は)わからない。きょう優勝した瞬間の歓声は忘れない。1年後もそうなればいいな」。2020年のヒロインへ、堂々と名乗りを上げた。(木村尚公)

 

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