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【スポーツ】

小出義雄「遺す言葉」第5回 東京五輪メダルは工夫次第だよ

2019年7月24日 紙面から

 日本マラソンは、男子で言えば、世界記録からは5分離されている。このままじゃ、ケニア、エチオピアなどの外国勢にやられてメダルどころか惨敗もあり得る。だけど僕は、これからの工夫次第で、来年の東京オリンピックは、銅メダルなら行けると思うよ。

 マラソンの成功には、経験も必要だが、加えて、創造(想像)力、思考力、そしてそれらを、いかに工夫してやらせるかが大事なんだ。たとえ、創造(想像)力、思考が世間の常識を超えていると言われようが自分が信じたら、やることだ、やらせることだ。

 1992年バルセロナ五輪の女子マラソンは、気温30度近くで行われたが、有森裕子(銀メダル)は「涼しかった」と言った。実は、バルセロナの高温を予想して、事前の米国合宿中、気温50度近く、湿度20パーセント台の中で、トレーニングをやらせていたんだ。

   ◇

 Qちゃん(高橋尚子)が、2000年シドニー五輪(金メダル)前と翌年、世界新記録を作る前に行った米国合宿のトレは、陸上関係者から非常識と非難された。通常、高地トレは2000メートルあたりで行うが、この時は標高3650メートルでやった。2000メートルに基地を置き、駆け上り、また駆け下った。「いいぞQちゃん。これで金メダルだ」と、伴走車から声を掛け続けたものさ。当時のQちゃんはめっぽう強く、普通の高地だとどこまでも突っ走ってしまうほどだった。あの頃の彼女には、超高地がよかったんだ。心も体もよりパワフルになった。メダルを取るなら、思考と工夫が大事だよ。

     ◇

 逝去のおよそ1カ月前の3月20日、小出さんが話した言葉である。

  (聞き手・満薗文博)

 

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