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【スポーツ】

[レスリング]吉田沙保里、引退 代表コーチで第二の人生 絶対女王五輪3連覇

2019年1月9日 紙面から

ロンドン五輪で優勝し、日の丸を揚げる吉田沙保里=2012年8月9日、エクセルで(川柳晶寛撮影)

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 「霊長類最強女子」が、ついに現役を退く。レスリング女子で五輪と世界選手権を合わせて16大会連続世界一に輝き、2012年に国民栄誉賞を受賞した吉田沙保里(36)=至学館大職=が8日、ツイッターなどに現役引退の意思を投稿。栄光に包まれた競技人生に幕を下ろした。10日に東京都内で記者会見する。今後は未定。関係者によると、今後も日本代表コーチを続ける意向という。

 女子レスリング界の象徴がついにマットを降りる。吉田はツイッターで、「33年間のレスリング選手生活に区切りをつけることを決断いたしました」と報告。これまでに獲得した17個のメダルをずらりと並べ、ファンや関係者に別れを告げた。

 五輪4大会連続となる金メダルを逃し、「取り返しのつかないことになってしまった」と泣き崩れた2016年リオデジャネイロ五輪が大きな節目だった。進退を明言せずに実戦から離れ、「選手」のまま日本代表コーチを兼任。一方で至学館大の副学長を務め、芸能活動にも積極的に取り組んだ。

 東京五輪への意欲を問われれば、「出られるものなら出たいが、そんなに甘いものでもない」と繰り返した。マイペースで練習を続けつつ、スパーリングでは世界女王の奥野春菜(19)=至学館大=らと五分以上に渡り合った。

 ただ、それだけで勝負できるほど「甘いもの」ではない。昨春には、二人三脚で戦ってきたレスリング協会の栄和人・前強化本部長(58)がパワハラ問題で失脚。至学館大の後任監督として吉田の名前も上がったが、関係者によると水面下で吉田が固辞したようだ。

 マット外に活躍の場を広げる一方で、レスリングではいや応なしに騒動の渦中に巻き込まれた。同じ53キロ級では奥野や向田真優(21)=至学館大=ら世界トップクラスの後輩も育った。5度目の五輪を目指す肉体的、精神的な高まりがなくなり、引退へと気持ちが傾いていったようだ。

 最終的な決断は、東京五輪の代表選考レースが本格化した昨年12月の全日本選手権の欠場を決めたときとみられる。大会中には日本レスリング協会の福田富昭会長(77)に引退の内意を伝えていたという。

 吉田は8日、東京都内でレスリング協会に引退を報告。菅芳松事務局長によると「3歳でレスリングを始めて、33年間になりました」と明るく話した。

 今後はコーチとして後進の指導にあたる。至学館大の志土地翔大コーチ(31)は「後輩を背中で引っ張れる、見本となる選手だった」。栄光に満ちたレスリング人生に一区切りをつけ、吉田が再出発する。 (木村尚公)

 

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