トップ > 中日スポーツ > スポーツ > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【スポーツ】

[レスリング]伊調が負けた!沙保里以来17年ぶり、日本人に

2018年12月23日 紙面から

女子57キロ級1次リーグ 川井梨紗子(左)に敗れた伊調馨=駒沢体育館で(潟沼義樹撮影)

写真

◇全日本選手権<第3日>

 レスリングの全日本選手権第3日は22日、東京・駒沢体育館で男女15階級があった。男女を通じて史上初めて五輪金メダリスト同士の対決が実現した女子57キロ級では、川井梨紗子(24)=ジャパンビバレッジ=が1次リーグ初戦で伊調馨(34)=ALSOK=に2−1で競り勝った。伊調が日本選手に敗れるのは、2001年の全日本選手権で吉田沙保里(36)に屈して以来17年ぶり。2人は23日の決勝で再戦する。男子57キロ級は世界選手権銅の高橋侑希(25)が3連覇。女子50キロ級ではリオデジャネイロ五輪金メダルの登坂絵莉(25)=東新住建=が準決勝で敗退した。

 2人の金メダリストが向き合ったマット上を静かな緊張感が支配した。組手争いが続いた後、伊調が消極的だとして川井梨が立て続けに得点して2点を先行。残り20秒から伊調が数回タックルを仕掛けた以外は、互いに積極的に攻撃することなく史上初となる至高の対決は終わった。

 川井梨は「反省点はあるけど、あれが自分の実力です。6分間しっかり戦った」と語った。1次リーグ2位までが準決勝に進出できるため、初戦から死力を尽くす攻防にはなりにくい。実力者同士、手の内を探り合う試合模様となった。

 これまでの対戦成績は伊調の3戦3勝。最後の顔合わせは2014年の全日本選手権だった。この4年で女子エースに成長した川井梨が、リオデジャネイロ五輪後の休養明けの伊調に01年の吉田沙保里戦以来となる日本人選手からの黒星をつけた格好だ。

 ハイレベルな神経戦を終えた後、2人は白星を積み重ねた。1次リーグを川井梨が1位、伊調が2位で突破すると、準決勝では川井梨が6−0、伊調が3−0とそろって無失点で至学館大の後輩選手を退けた。伊調も目の覚めるようなタックルでポイントを奪うなど尻上がりに調子を上げた。23日の決勝では互いに後先考えずに持てる力をぶつけ合う。

 川井梨は「『見ている分には面白い』と自分でも思うけど、こっちはやる側なので。ここまできたら何か変えることはできない。練習したことを出すだけ」と冷静な口調で再戦を見据える。

 一方の伊調は報道陣の取材に応じず、レスリング協会を通じて「気持ちも技も体力も戻ってきているのがわかった。五輪へ向けての本当の復帰戦としてこの全日本がある。もっと上げていきたい」とコメント。封印していた5度目の五輪への思いを吐露しつつ、決勝を見据えた。見守った恩師の八戸クラブ・沢内和興代表も「馨には経験がある。明日には間に合う」。

 勝った方が東京五輪へ前進する大一番。前人未到の道を進む伊調か。吉田、伊調が不在の女子レスリング界を支えてきた川井梨か。2人のレスラーの意地と意地がマット上で交錯する。 (木村尚公)

 

この記事を印刷する

PR情報

閉じる
中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ