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【首都スポ】

[大学サッカー]順大の旗手、インカレ出場に向け感覚研ぎ澄ます

2019年11月15日 紙面から

普通の大学生の笑顔。ゴールを狙い続けるプレー中の表情とは対照的だ=いずれも千葉県印西市の順大さくらキャンパスで(神代雅夫撮影)

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 第93回関東大学サッカー1部リーグ(東京中日スポーツ後援)はいよいよ残り2節となった。明大の3年ぶり5回目となる優勝が決まり、焦点は全日本大学選手権(インカレ)への出場枠と1部残留を争う戦いに絞られた。来季からのJ1川崎入りが内定しているFW旗手怜央(はたて・れお、4年・静岡学園)を擁する順大は現在7位。今の順位ではインカレに出られないが、この窮地から抜け出すことができるのかどうか。大学サッカー界屈指の点取り屋にここからの意気込みなどを聞いた。 (取材&構成・関孝伸)

 −来季から川崎に加入することが内定しています。静岡学園高の出身者が順大を経てJクラブに進む流れは長谷川竜也(現川崎)、米田隼也(現J2長崎)、名古新太郎(現J1鹿島)に続いて4年連続になります

 旗手「その3人の先輩たちは順大で中心選手として活躍して、そこからプロになりました。自分も順大で活躍してプロになるためにここに来ましたし、この大学に入ったからにはプロになるのが絶対じゃないかなと強く思っていました。プロになること以外は考えなかった(大学の)4年間でした」

 −順大では1年時から主力としてプレーしてきました。ルーキーイヤーのリーグ戦では9ゴール2アシストの数字を残しました

 「自分の元々のポジションはサイドハーフ(2列目の攻撃的ポジション)で、大学でも最初はサイドハーフでプレーしていました。スタメンで試合に出るというところでまずはてこずりましたし、その次に大学サッカーで結果を残すところでもてこずった印象があります」

 −第4〜7節はサイドハーフで先発出場しました。その第7節の後半からFWになり、そこで初得点。第8節からFWでスタメン出場するようになりました

今こそ結果を残すことが求められる旗手。真価発揮しチームをインカレへと導きたい

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 「自分の中でターニングポイントになったと言えるのが、FWで使われるようになってからのその夏の総理大臣杯(全日本大学トーナメント)です。暑くてタフな大会ですけど、5試合で5点取って、そこで手応えをつかみました。それまでは試合に出ているだけの選手でした。でも、あの総理大臣杯でやっとチームの力になれたんじゃないかなと思います。その後のリーグ後半戦でも得点を重ねることができました。ただ、リーグ戦の9点に関しては2桁に行きたかったなというのがあります。プレー一つ一つを取って見ても、まだまだ足りないところがあったので、満足はできませんでした」

 −点を取るのはもちろんのこと、ドリブルもボールキープもできる万能FWですが、特にゴールへと向かう姿勢、ハンターのように貪欲に得点を狙う姿勢が1年生のときから際立っていました

 「新人だったので、思い切りやらせてもらっていました。今だったらあり得ないような“自分が自分が”という自己中心のプレーをしていました。でも“ゴールに行く”部分に関してはずばぬけていたんじゃないかなと思います。(元日本代表FWで現J1磐田の)大久保嘉人さんのようなシュートを打ててドリブルもできるという、FWの枠にはまらない感じの選手になりたいと考えています」

 −1年生で全日本大学選抜入りするなど、ルーキーにして大学サッカー界をリードする存在になりました。続く2年時のリーグ戦では14ゴール2アシスト。3年生の昨季は12ゴール5アシストでした

 「2年生のときも3年生のときも得点王を狙っていたんですけど、(2年連続2位で)取ることができませんでした。自分の実力が足りないから取れなかったのだと強く感じています」

 −今季はここまで4ゴール6アシストです。得点が少なくなっていますが、アシストランキングでは首位と2ポイント差の3位。ゲームをつくってきた名古選手が抜け、旗手選手の役割が増えたことがこの数字からうかがえます

 「名古さんがいなくなったのは大きいと思いますけど、点を決めていないのは自分の力のなさです。アシストが増えたのは、相手が前後左右から自分をつぶしにきている中で、マークが空いている味方にパスを出すプレーが多くなった結果だと思います。得点王はもう無理なので、チームの勝利を目指す上で、アシスト王という結果がついてきてくれたらいいなと思っています」

 −入学以来、チームの方もタイトルに手が届いていません。2年時の関東大学トーナメントで優勝しましたが、3大タイトルである関東大学1部リーグ、総理大臣杯、インカレを制したことはありません

 「2年生のときのチームは(総理大臣杯で準優勝した)その前の年からメンバーがほとんど変わっていなくて強かったんですけど、優勝はできませんでした(最高成績はリーグ戦の2位)。タイトルを取るとすれば、あの年だったかなという思いがあります。タイトルを取れなかった部分に関しては悔しさが一番残るシーズンです」

 −今季を迎えるにあたっては今年こそタイトルとの思いが強かったのではありませんか

 「集大成の年ですし、このチームで何か結果を残したいと思って、シーズンに入りました」

 −総理大臣杯とリーグ戦のタイトルを逃し、残っているのはインカレだけです。ところが、そのインカレには出られないかもしれません。現在リーグ戦で7位。6位以内に入らなければ、インカレ出場権を得ることができずに、旗手選手にとっての大学サッカーがそこで終わってしまいます

 「まずは次の試合で勝つことが重要です。今の順位は自分の責任でしかないと感じていますし、自分が得点やアシストで結果を残せば、チームは勝てるので、そこにこだわって感覚を研ぎ澄ましていきます。『やっぱり怜央だった』と思わせるプレーで結果を残したいです。1試合でも多くみんなと一緒にやりたいので、インカレには出たいです。出て優勝して、このために頑張ってきたんだと言える、いい終わり方にしたいと思います」

◆旗手アラカルト

 ◆父親の存在 父・浩二さんはPL学園高(大阪)野球部のレギュラー遊撃手だった=写真。KKコンビ(桑田真澄さんと清原和博さん)の1学年先輩にあたり、高3時の甲子園で春夏ともに準優勝。息子はその父親について「超えたくても超えられない存在です」と話す。「超えられなくて悔しいので、僕の父親としてこうして書かれるのも悔しいんです(笑)」

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 ◆自炊 一人暮らしを始めた2年前から、自炊で夕食を準備するようになった。頻度は週に2〜3回。アスリートとして、栄養のバランスを考慮しながら取り組んでいる。

<旗手怜央(はたて・れお)> 1997(平成9)年11月21日生まれ、三重県鈴鹿市出身の21歳。171センチ、72キロ。同市立牧田小2年のときに同校の少年団でサッカーを始めた。小3〜中3はFC四日市でプレーし、静岡学園高に進んだ。同高2年時の全国高校選手権でベスト8。自身は大会優秀選手に選ばれた。3年時に日本高校選抜入り。順大では1年時から活躍してきた。関東大学1部リーグ通算75試合出場39ゴール15アシスト。2、4年時にユニバーシアード日本代表に選出され、連続優勝に貢献した。来年の東京五輪で金メダルを目指す、U−22日本代表のメンバーとしてもプレーする。来季からの川崎入りが内定している。

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