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【首都スポ】

[大学サッカー]都リーグからプロの道切り開く 日大MF・金子拓郎 来季札幌入り

2019年11月8日 紙面から

本来はドリブルを得意とするアタッカーだが、守備力も兼ね備えた万能型への進化を図るMF金子

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 今季のJリーグ・ルヴァン杯はJ1川崎の初優勝で幕を閉じた。J1札幌との決勝(10月26日)はPK戦までもつれ込む激闘になったが、その戦いを一人の大学生選手がスタンドから見つめた。来季からの札幌入りが内定し、さらには札幌の特別指定選手としてすでにプロのピッチに立っている日大MF金子拓郎(4年・前橋育英)だ。昨季は東京都大学1部リーグでのプレーだったが、チャンスをつかみ、プロへの道を切り開いた。今季は関東大学2部リーグで活躍する、その左利きアタッカーに聞いた。(取材・構成、関孝伸)

 −大学にはどんな意気込みを持ってやってきましたか

 金子拓「高校を卒業するときにはプロに行けませんでした。大学の4年間で(実力をつけて)絶対にプロになってやるぞという思いで日大に来ました」

 −最近の日大は関東大学2部リーグと東京都大学1部リーグを行ったり来たりしています。金子選手が高3の年に東京都1部に落ちてしまいましたが、1年で関東2部に再昇格しました

 「入学したときは都リーグでした。1年目から絶対に試合に出て活躍してやるぞという気持ちでしたけど、都リーグでは(プロチームのスカウトなどに)見てもらえないんじゃないかとメッチャ思いました。だから、何としてでも関東に上がらなければいけないと考えていました」

 −関東復帰はつかの間で、すぐに東京都1部に逆戻りしてしまいました

 「関東(2部)リーグでも自分の持ち味は通用したんですけど、それだけでは勝てなくて、まだまだだと思いました。チームを勝たせられる選手ではなかったんです。都リーグに落ちたときは絶望しました。プロになるには3年生の年が一番大事だと考えていたので、そのシーズンを都リーグでやることになって、かなり落ち込みました」

 −しかし、東京都1部でプレーしていた昨季にチャンスが訪れました

 「日大の夏の北海道合宿で札幌と練習試合をやったんですけど、そのまま(北海道に)残って、札幌の練習に1週間参加することになりました」

 −練習試合で札幌の目に留まったのですね

 「そういうことになります。残ることが急きょ決まりました。札幌の練習ではついていくのに精いっぱいで、手応えを感じることは全然できませんでした。ただ、今年の札幌のキャンプにも呼ばれたんです。ここでいいプレーをして(プロ入りを)勝ち取ってやるぞと思って、実際にキャンプの最後にオファーをいただきました。プロになる目標を達成できたので、ホッとしました」

 −東京都1部でプレーしていた選手がJ1入りの内定を決めました

 「都リーグでプレーしていたときはプロになれるだろうかと不安に思ったりもしましたけど、どこで誰が見ているかわからないものです。自分は運も良かったですけど、プロになることだけを考えて、あきらめずにやっていました。努力してきて良かったと感じます」

 −昨季は関東2部昇格を再び決め、迎えた今季は日大と札幌を行き来する日々です。札幌では特別指定選手として登録され、J1リーグ6試合とルヴァン杯8試合に出場しています。ルヴァン杯ではゴールもマークしました

 「行ったり来たりで難しいですけど、自分の成長につながると思っています。充実しています。ただ、日大の仲間たちと一緒に練習できていない部分があるので、日大の方には迷惑をかけてしまっています。ゴール前の仕掛けやドリブルでボールを運ぶといった自分のストロングポイントはプロの試合でも通用する部分があって、自信になっています。でも、まだまだの部分も見えてきて、そこは突き詰めていかなければいけません」

 −本来はドリブルを駆使して仕掛けていくアタッカーですが、札幌ではボランチにもトライしています

 「ボランチのほかに攻撃的なポジションをやることもあるので、(札幌でのプレーに)ストレスは感じていません。ボランチの位置でドリブルを生かしてほしいというのがそこで使われる理由の一つかなと思います。ボランチはやったことがなかったので、最初はとまどいました。周りを動かして守ることがまだできていないので、そこは課題です。プロの世界では守備ができる選手が生き残れると考えています。だから、守備力をもっと上げていかなければいけません」

 −ルヴァン杯は準優勝でした。川崎との決勝はスタンドでの観戦になりました

 「チーム(札幌)に帯同していましたし、試合に出たかったです。準優勝で悔しかったので、来年はあの舞台に自分が出て勝ちたいと思います」

 −タイトルを目前で逃したわけですが、大学の活動ではユニバーシアード日本代表に選ばれ、7月のユニバーシアードで金メダル獲得に貢献しました

 「ブラジルとの決勝は大勝(4−1)でしたけど、それまでには厳しい試合もありました。目標だった結果を全員で達成できたので、素直にうれしかったです。いい経験になりました」

 −日大の方は現在リーグ戦で7位です。2部残留はできそうですが、前半戦終了時の2位から順位を下げています

 「残留が最初の目標でした。前半戦で調子が良くて1部昇格がちらついたところから、チームとしての必死さやチャレンジャー精神がどこかで少し失われたのかなと感じます」

 −最後にプロ入り後の目標を聞かせてください

 「先のことはあんまり考えていません。まずは札幌で1年目からスタメンの座をつかんで活躍してやるぞという思いでいます。攻撃的なポジションで試合に出たい気持ちはありますけど、決めるのは監督ですし、与えられたところで全力でやっていきます」

◆金子拓郎アラカルト

 ◇マイカー 北海道は車なしでは生活していけないだろう。今はマイカーを持っていないので、札幌に正式に加入した後、遠からず購入することになるはずだ。自然あふれる北海道を車でいろいろと回ってみたい。

 ◇さすがの美味 北海道の回転ずしを堪能している。ネタがかなり大きく、そして、もちろん新鮮。想像以上に「メッチャうまくてビックリしました」。北海道のおいしい食べ物を今後どんどん開拓していきたい。

<金子拓郎(かねこ・たくろう)> 1997(平成9)年7月30日生まれ、埼玉県小川町出身の22歳。178センチ、74キロ。同町立小川小1年のときに小川サッカースポーツ少年団でプレーを始め、クマガヤサッカースポーツクラブから前橋育英高(群馬)に進んだ。同高2年時に全国高校選手権準優勝を経験。3年時の同大会ではチームはベスト8に甘んじたが、自身は大会優秀選手に選ばれた。日大では1年時から主力で、3年時には東京都大学1部リーグ最優秀選手賞を受賞した。今季は関東大学2部リーグで現在6ゴール7アシスト。札幌では公式戦14試合に出場し、1得点を挙げている。ユニバーシアード日本代表。

近場に映画を見に行ったりするときなどの服装がこんな感じ=東京都稲城市のスポーツ日大アスレティックパーク稲城で(いずれも北田美和子撮影)

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