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【首都スポ】

[ビーチバレー]「春高のヒロイン」から「ビーチのヒロイン」に 転向4年、二見梓の挑戦

2019年10月19日 紙面から

ビーチバレーボールで東京五輪を目指す二見梓=川崎市の川崎マリエンで(武藤健一撮影)

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 「春高のヒロイン」が東京五輪出場を目指して戦い続けている。ビーチバレーの世界に飛び込んで4年目の二見梓(27)=東レエンジニアリング=は、長谷川暁子(33)=NTTコムウェア=とペアを組んで今季が3年目。上位6チームで五輪開催国1枠を争う「日本代表チーム決定戦」(来年5月)を現時点での最大目標とし、国内外の大会を転戦する日々を送っている。 (フリージャーナリスト・辛仁夏)

 二見のバレーセンスと身体能力は、10代から注目されていた。インドアバレーを始めたのは中学1年。地元の中学に入学して「三浦半島で優勝するくらい」のチームで楽しく取り組んだという。「アテネ五輪予選でメグカナ(栗原恵と大山加奈)を見たのがきっかけで、すごく憧れの存在。加奈さんは東レアローズの出身なので、一緒にはプレーしていないんですけど、今もたまにお会いします」

 二見の名前を一気に広めたのは、中学卒業後に進んだ大和南高時代だ。めきめきと実力をつけ、1年で出場した全国高校選抜優勝大会(春高バレー)でベスト8入り。大型センターとして活躍が光るとともに、愛くるしい笑顔と抜群のスタイルから「春高のヒロイン」と呼ばれた。

 高卒後はV・プレミアリーグの東レに入団。11〜12年のルーキーシーズンにはリーグ優勝に貢献した。以後、レギュラーとしての地位を築き、日本代表にも呼ばれて将来を嘱望されたものの、故障やモチベーション低下の影響が重なり、15年にわずか4シーズンで現役生活を終えた。

 引退後は、一時バレーボールから離れ、「普通の生活をしたい」と現在の所属先に移籍して約8カ月ほどOL生活を送った。しかし、「もやもやした気持ちがあって、東京五輪開催が決まったこともあって、(若い頃から)ずっと誘われ続けていたビーチバレーで東京五輪を目指したい気持ちになった」と、室内から屋外の砂上に戦いの舞台を移し、競技の世界に戻ってきたのが16年7月だった。

 ビーチバレーの魅力は「自由で気軽な応援ができるし、どういうチームになるかなど、自分たちですべてのことを決められるところ」と話す。

 身長180センチの高さを武器に読みのいいブロックと、機動力と大胆な攻撃力を生かしたダイナミックなプレーが強みだ。世界では決して大柄ではないが、ペア結成3年目の今季は徐々に結果も残しつつある。「悪い波のときが少しずつ出なくなって、課題とするつなぎを意識するプレーができるようになって安定感が増してきた」

 VリーグのNECで活躍してビーチバレーに転向した長谷川には、自らペアを組んで欲しいと声を掛けたという。「リーダーシップを持っている暁子さんには能力の高さやプレー技術のすごさがあったのでお誘いした」

 目標の東京五輪出場への道のりは依然として険しい。五輪ランキング15位以内など、ワールドツアーでの好成績が必須となる条件での出場は厳しく、二見と長谷川のペアは開催国1枠を狙うのが現実的な目標。今季国内ツアーランキングでは3位、日本連盟のランキング(個人)では10位につけており、上位6チームが出場して来年5月に開催される「日本代表チーム決定戦」での一発逆転を目指す。

 「自分の競技人生が始まったきっかけがオリンピックなので、オリンピックで締めくくれたらいい。憧れで終わらせないようにできたらいいなと思っています」。チームの完成度も6割くらいまでは到達しつつあるという二見。さらに心技体を高め、五輪への道を突き進む。

<二見梓(ふたみ・あずさ)> 1992(平成4)年5月15日生まれ、神奈川県葉山町出身の27歳。180センチ、70キロ。インドアバレーでは大和南高で春高8強。Vリーグの東レで11〜12年シーズンに優勝。15年5月に一度引退。16年からビーチバレーに転向。長谷川暁子とペアを組む17年から本格的に競技に入り、来年の東京五輪を目指す。今年のビーチバレーワールドツアー、エドモントン大会3位。家族は両親、1歳下の弟、8歳下の妹と犬のカイ。

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