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【首都スポ】

[高校バスケ]東京・八雲学園の奥山 3人&5人制の“二刀流”で東京五輪目指す

2019年2月21日 紙面から

“二刀流”で東京五輪出場を目指す奥山理々嘉=東京都目黒区の八雲学園高で(武藤健一撮影))

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 高校バスケットボール界の歴史を刻んだ天才少女が、3人制、5人制の“二刀流”で、2020年東京五輪出場を目指している。東京・八雲学園高3年の奥山理々嘉(りりか)、18歳。2年生だった17年全国高校選手権(ウインターカップ)で、女子の1試合最高得点記録を28年ぶりに更新する62点をたたき出した。昨年夏には、初体験の3人制でジャカルタ・アジア大会の銀メダルを持ち帰った驚異のハイスコアラーに迫った。 (平野梓)

 17年12月、高校バスケの冬の大舞台・ウインターカップは、新たなヒロインを生み出した。八雲学園の奥山が3回戦で、1989年に富岡高・加藤貴子(元シャンソン化粧品、元日本代表)、11年に札幌山の手高・長岡萌映子(トヨタ自動車、日本代表)がつくった1試合51点の記録を10点以上も上回る、62点をたたき出した。

 「すごい早い段階でたくさんシュートを打って、調子も良くて、確率も高くて。打ったら入るみたいな。外からも思い切り打って中からも攻めて、いい循環というか、リズムができていたので。仲間がいいパスを自分にしてくれたので、仲間のおかげで60点取れたなと思います」。口調に熱が帯び、両目も輝き出す。まるで当時の熱狂を再現するかのように。

高校の正門前で笑顔の奥山

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 予兆は前日にあった。2回戦の郡山商戦で45点を取った奥山に、同校の教員たちが話しかけた。「記録を知っていたか。もうすぐだったじゃないか」「越してこい」。3回戦の相手、徳山商工は高さで劣る。八雲学園伝統の超攻撃型バスケを序盤から仕掛け、奥山は第3ピリオドですでに40点以上をマークしていた。高木優子監督も「どんどん取ってこい」とベンチに下げなかった。

 この大会で奥山は5試合で207得点を稼ぎ、同校は初めて4位になった。日本代表は16歳以下から各世代で選出されていたが、昨年にフル代表の候補に初選出。夏のアジア大会は3人制のメンバーとして銀メダルを獲得し、今年の3人制代表候補にも選ばれた。

 両親ともに元バスケ選手で、2つ上の兄が熱中しているのを見て競技を始めた。坂本中(神奈川県横須賀市)時代は部活が終わると、自宅の庭で父が設置してくれたリングに向かってシュートを放つ日々。「目標が高かったのと、バスケが好きなのが1番の理由。自分と向き合う時間も結構好きなので。自分が自分自身に問いかけるじゃないですけど、何ができるか、できないかとか考えていました」。中学3年時には全国では無名の坂本中を全国中学校総体3位に導き、自身は1つ上の代が集まる16歳以下代表に選ばれた。

 優れた得点嗅覚は八雲学園でさらに磨かれた。「100点取られても101点取って勝てばいい」という哲学を持つ高木監督の下でハイスピード、ハイスコアの試合を重ねて攻撃の幅も広がった。往復3時間の通学時間を自主練習に充てたいと、高校2年の春から同校近くの高木監督の家で下宿した。「いつもバスケのことを考えていた3年間だった」と言う奥山が悔いるのは、チームを一度も日本一に導けなかったことだ。最後のチャンスだった昨年末のウインターカップも準々決勝で敗退。「毎試合を大切にしていたからこそ、結果を残していない自分が嫌で。負けるごとに、悔しい思いをするたびに、苦しくなってしまっていた」と暗い表情を見せる。

 この春から実業団で新たな一歩を踏み出すとともに、本格的に東京五輪の代表入りを狙う。「昨年、代表合宿に参加して高いレベルを知ったし、自分の足りなさも感じた。3人制も人数が少ない分、質を高くしないとダメで、1対1のスキルなり力がないとマークを破れない。東京五輪は東京で行われるので、たくさんの方に自分が頑張る姿を見せるチャンス。なので出たいですね、どちらでも」。2つの道で、小さいころから目標としていた舞台を目指していく。

◇理々嘉のアラカルト

 ●趣味「お菓子作りとか料理が好きで、メニューと材料と道具があれば何でも作りたい。ケーキを作ったり、シュークリーム作ったり。この間はアップルパイを作って友達に渡しました」

 ●好きな漫画「『スラムダンク』で全巻、家にあります! それぞれのキャラクターが好きで、それぞれのストーリーがあるじゃないですか。そういうスラムダンクが好きですね」

 ●好きな食べ物「甘い物がとにかく好きで、頑張ったご褒美とかに食べていて。洋菓子も和菓子も好き。チョコレートが1番好きで、試合前も必ず食べます」

 ●尊敬する人物「兄です。自分のことを1番応援してくれる人だし、小さいころから背が低くて、バスケに関してはいろいろと苦労している姿を見てきました。毎日、自主練習しようと思ったのも、兄が努力しているのを見ていたから。お兄ちゃんみたいになりたいと思ったし、人として尊敬しています」

 ●海外挑戦は…「(米プロリーグの)WNBAも挑戦してみたいですけど…。海外でプレーしてみたいっていうのが夢という感じで、何かの形で海外でバスケができる経験、チャレンジ、機会があれば。そこは目指していきたいと思います」

<奥山理々嘉(おくやま・りりか)> 2000(平成12)年4月6日生まれ、神奈川県横須賀市出身の18歳。180センチ、68キロ。チームのポジションはパワーフォワード。小3で鶴久保コスモスでバスケットボールを始め、坂本中を経て八雲学園高に進んだ。2017年ウインターカップでは3回戦で62点を挙げ、大会記録を樹立。さらに総得点、リバウンドなど4部門で出場選手のトップに立った。

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