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【首都スポ】

フェンシング姉妹剣士 夢はそろって東京五輪

2019年2月13日 紙面から

フェンシング女子で東京五輪を狙う妹の東晟良(左)と姉の莉央=東京都北区の国立スポーツ科学センターで(斉藤直己撮影)

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 来年に迫る東京五輪に向け、日本フェンシング界に注目の姉妹がいる。ともに日体大で、女子フルーレの東莉央(りお、2年・和歌山北)と晟良(せら、1年・同)だ。20歳前後の黄金世代がしのぎを削り、目覚ましい活躍が光る同種目で、妹の晟良はその筆頭株。昨年、全日本選手権2連覇、ジャカルタ・アジア大会団体金メダルなどと躍進した。妹に刺激を受ける姉の莉央は、2016年の全日本選手権準優勝の実力者。「(性格は)似ていないです!!」と口をそろえる姉妹剣士を紹介する。 (フリージャーナリスト・辛仁夏) 

 昨年大きく飛躍した妹に後れを取った莉央は、メンタル面の弱さが、持っている才能を封じ込めて開花できていない。それが、周囲の評価だ。本人もそれを自覚する。

 「結構、細かいところをいろいろ気にして、先を読みすぎて失敗してしまう。だから、試合に入る前に、最初から自分が取りに行く気持ちが一番大事だと思っています」

 小5で競技を始めたきっかけは、母と妹だという。「お母さんがやっていたフェンシングクラブに、恩師にあいさつに行くというのでついて行ききました。そこで初めてフェンシングを見て、新鮮で、剣とか使うし、怖さもありましたけど、たぶん『入る、入る』となった妹に、自分が合わせた感じだったと思います」

 妹と一緒に東京五輪で活躍する目標について聞くと、「東京五輪代表になるためには、W杯に出て、いい成績を残さないといけない。昨年11月に妹がW杯で銀メダルを取りましたが、自分もそこを目指していきたい」と、まずは1段ずつ階段を上がる覚悟だ。

 今年は1月から国際大会に参戦。ここまで思うような結果を残せていないが、やるべきことは分かっている。「これまでの最高はベスト64なので、その壁を越えたいです。弱気な面をなくして、スロースターターを改善したい」。何も成績を残せなかったという昨年の反省を踏まえ、今年こそは勝ちきる戦いを見せたい。

 一昨年は高校生初の全日本女王となって話題を振りまき、2連覇を飾った昨年12月の全日本選手権では大会ポスターのモデルを務めた。会ってみると、写真家・蜷川実花さん(46)が撮影したキリッとしたポーズとはまるで別人で、素顔の晟良は天真らんまん。明るく笑って答える様子は天然ボケそのものだった。

 「頭を使うのがいややし、頭の回転も結構遅くて…(笑)。みんながパッと動けても、自分は1テンポ遅れて動く感じですね。でも、フェンシングの時に頭を使うのは得意で、相手と戦っているときに自分がやりたいことで突けたときの喜びは言葉に表せないほどうれしいです」。負けず嫌いの19歳はフットワークを使い、積極的にアタックするスタイルだという。

 フェンサーだった母親の影響を受け、小4から競技を始めると、すぐに熱中した。

 「最初に教えてもらった先生は辞めさせないという感じだったし、お母さんも、結構、とことんトップまで行かないと気が済まない人なので、最初から本気で取り組みました」

 素質もあったのだろう。1年もたたない時期に、和歌山県大会で優勝するなど試合に勝つことで「さらに面白くなり、もっと練習してもっと強くなりたいという気持ちが芽生え、自分にはフェンシングしかないと思うようになりましたね」とのめり込んだ。

 17年からは女子フルーレ日本代表のフランク・ボアダンコーチに指導を受けるようになった。「フランクコーチのおかげで海外の試合で勝てるようになり、技術だけじゃなく、突く時に声を出すなど気持ちが大事なことも教わり、ここまでの成長を実感しています」ときっぱりと言い切る。

 昨年11月、W杯アルジェリア大会個人女子フルーレで自身初の表彰台に立ち、銀メダルをつかんだ。準決勝でリオデジャネイロ五輪金のデリグラゾワ(ロシア)を破ったが、決勝ではロンドン五輪金のディフランチェスカ(イタリア)に11−15と惜敗した。

 「ユーチューブでロンドン五輪の女子フルーレ決勝を面白くてよく見ていましたが、そのチャンピオンになったディフランチェスカ選手と戦っているんだと感動しちゃいました(笑)。すごくうれしかったです」

 高身長で、技術もある相手に負けたものの、「すごく強かったんですけど、自分もこれから、どうなるか、楽しみになりました」と手応えをつかんだ。

 13年に東京五輪開催が決まったとき、「うわぁ、すごいなぁ」と感じた一方で、自分とは関係ないと思っていた。その出場権を懸けた日本代表レースは4月から始まる。「今は東京オリンピックで金メダルを狙う気持ちが強くなっています」と、頂点に立つ日をしっかり見据えている。

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