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【ラグビー】

[ジョセフジャパンの旅路2]科学「データ分析」 非科学「精神力強化」 アート「スクラム」の融合がジャパンラグビーの神髄

2019年10月23日 0時50分

南アフリカ戦を前に、FW陣を鼓舞する長谷川スクラムコーチ(右)

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 史上初の8強入りを果たした日本代表の躍進を支えた背景として、興味深い話がある。

 「科学、非科学、アートの融合がジャパンラグビーの神髄だ」

 そう語るのは、ヤマハ発動機の堀川隆延監督。5月までの3年間、代表コーチを務め、進化の過程に接してきた。

 「科学」として見るのは、浜野俊平さんらの分析班と選手の肉体強化と体調管理(S&C)を担うサイモン・ジョーンズさんらのコーチ陣だ。分析班の仕事は早く、正確だ。元ニュージーランド代表で、昨季は神戸製鋼でプレーした世界最高峰SOのカーターと、田村優ら同じポジションの日本選手との比較調査資料。パスを受ける角度、次のパスまでの時間などを詳細に示し、かつ容易に違いが分かるようになっていた。堀川監督は「何が代表選手に足りないか、一目瞭然だった」と言う。

 プロップ稲垣啓太が、「走りながら(排せつ物が)漏れそうだった」と振り返る6〜7月の宮崎合宿は「非科学」だ。「世界で一番練習したという自信が必要だった」と堀川監督。筋トレ、基礎技術習得を含む一日4度の練習は、精神力を培う意味もあった。この地獄の練習を支えたのは、S&Cコーチ陣。2月から計画的に選手を鍛え、心が悲鳴を上げてもけがしない体を作り上げた。

 「アート」を飾るのは名参謀、トニー・ブラウン、長谷川慎両コーチだ。堀川監督は「あのひらめきは天才的」と、ブラウンコーチが考案した数々のサインプレーを評価。「ブラウニー(ブラウンの愛称)の脳みそを3年間見てきたけど、ヤツはアーティストだ」。田村も「今週はどんな戦術が落とし込まれるか楽しみ」と信頼を寄せていた。

 スクラムの専門家、長谷川コーチは8人で最大限の力を出す最適なスクラムの形を追い求めた。足の位置、膝の角度などを1センチ単位で動かす手法は物理学のようだが、堀川監督は「日本のスクラムは芸術作品。和の極み」と鑑定した。

 科学、非科学、アート。それら全てをまとめたのがジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチだった。「ジェイミーがいなかったらこのチームは成立しない。ジェイミーの求心力でワンチームとなった」。指揮官を陰ながら支えてきた堀川監督は、その3年間の道のりをしみじみと振り返った。

 

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