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【ラグビー】

本当に“神様”だった7人制ラグビーの神様 取材の謝礼を聞くと「20万円」でも実際は…[田村一博コラム]

2019年11月4日 19時15分

7人制ラグビーの神様、ワイサレ・セレビ

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◇コラム「楕円球は弾む」

 熱狂の44日間。南アフリカ―イングランドの決勝戦でラグビーW杯日本大会が終わった。

 駆け足で時間が過ぎた。その一方で日本―ロシアの開幕戦は、はるか昔のことのようだ。すべての試合、W杯のある日常が濃密だったからだ。完全に「W杯ロス」に陥った。

 南アが3度目の頂点に立った決勝戦後、世界一チームのナンバー8、ドゥエイン・フェルミューレンと接した。この日の最優秀選手に選ばれた。この人、来年1月からトップリーグのクボタでプレーする。ニュージーランド代表のキアラン・リード主将はトヨタ自動車に加わる。彼らを、W杯時よりもっと近くに感じられるのは幸せだ。

 いわゆる大物を獲得したチームの関係者が言うのは、世界の一流はゲームに与えるインパクトはもちろん大きいが、日常の影響力が貴重ということだ。ラグビーと向き合う姿勢。プロ意識。寛容さ。日本人と違う発想、感覚に刺激を受け、向上する選手は多い。

 2015年大会優勝のNZ代表司令塔、ダン・カーターが加入した神戸製鋼が、昨季のリーグ王者になったのは、そのいい例だ。

 私にも、一流選手から教わった経験がある。7人制ラグビーの神様と呼ばれたワイサレ・セレビ(フィジー)というスター選手が三菱自動車京都に所属していた。彼が日本を離れて数年後、来日する機会に取材をしませんか、と持ちかけられた。本人に謝礼を聞くと「20万円」。諦め、「10分の1の額を考えていた」と言うと「日本が好きだ。それでいい」ときた。

 神様は実際に会うと気さくだった。話の途中、深いところを聞き出そうとすると「2万円ではここまでだ」とふざける。しかし結局、親切にすべてを答えてくれた。

 今から20年ほど前、編集長になりたてで私も若かった。世界のスターとの交渉術を神様に教わった。

 トップリーグの会場では世界のスターと触れ合える。おすすめは、フェルミューレンと同じクボタに加入するNZ代表のCTBライアン・クロッティだ。「いい選手であるために重要なのは、筋肉の大きさではなく、心の大きさ。それがほとんどのことを解決する」。そう話す好漢だ。

 ラグビーを初めて見てみたら面白かった。そう言う人が多かった今大会。トップリーグに行ってみたら楽しかった、となる人もきっと増える。

 チケットの取りやすさは、W杯の比ではありません。ぜひとも。(ラグビー・マガジン編集長)

 

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