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【ラグビー】

南アフリカ、3度目V! 黒人初コリシ主将「国のため一つになった」

2019年11月3日 紙面から

ラグビーW杯の日本大会で優勝し、ウェブ・エリス・カップを掲げるコリシ主将(中)ら南アフリカフィフティーン(岩本旭人撮影)

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◇ラグビーW杯<決勝> 南アフリカ32−12イングランド

 南アフリカ、3度目の世界一! ラグビーのW杯日本大会は2日、横浜市の日産スタジアムに7万103人の大観衆を集めて決勝が行われ、南アフリカがイングランドに32−12で勝ち、2007年大会以来3度目の優勝を果たした。3度目の優勝はニュージーランド(NZ)に並ぶ最多記録。07年大会決勝の再現となったカードで、イングランドは03年以来2度目の優勝を逃した。南アフリカはFW戦で優位に立ち、SOポラードのPGで着実に加点。後半にも2トライを挙げ、突き放した。アジア初開催のW杯は44日間の日程を終えて閉幕。次回の23年大会はフランス開催で、1次リーグA組1位だった日本は同大会の出場権を獲得している。

 南アフリカの新たな歴史の幕開けだ。過去2度の優勝とはひと味もふた味も違う。知将・エラスムス監督と、127年の歴史の中で初めて黒人主将となったコリシがチームの結束を高め、1次リーグで黒星を喫したチームが優勝するという史上初の快挙を成し遂げた。

 コリシは試合終了の笛を聞くと、言葉にならない感情がこみ上げてきた。「チームメートの喜ぶ顔を見たら、人生においてベストなことをやったんだと感じられた。コーチに感謝したい。ラグビーへの考え方を変えてくれたんだ」

 この日も鉄壁の防御は健在。イングランドをノートライに抑え、南アの新しい顔を見せた。過去2度の決勝戦はノートライ。この日はマピンピ、コルビの両WTBがインゴールに躍り込んだ。コリシは言う。

 「僕らの国には、いろいろな問題がある。チームの選手のルーツや民族もさまざまだが、国のために戦った。何かを成し遂げたいと思ったら一つになれるんだということを見せたかった」

 思い出すのは、2年前に就任したエラスムス監督との最初のミーティングだ。

 「政治的な問題を国は抱えているが、みんなにラグビーを見てもらって、幸福になってもらおう」

 初優勝した1995年はアパルトヘイト(人種隔離政策)撤廃後の初の自国開催だった。「ワンチーム、ワンカントリー」を合言葉にチームは躍進。一夜にして、一時的とはいえ人種などの対立問題は解消した。2007年大会の優勝も同じだった。「本当に国が一つになったんだ」(コリシ主将)

 主将と同じように、非白人居住区の貧困家庭で育ったマピンピ。2年前にスーパーラグビーでデビューするまで、キックを禁じた片田舎のチームでプレーしていたという無名の存在だった。

 エラスムス監督は隣に座る主将を見て、誇らしげに語った。「コリシにはいろいろな苦労話があるが、それを乗り越え、今は主将として優勝に導いてくれた」。人種問題や貧富の差を乗り越え、新生南アは3度目のウェブ・エリス杯を手にした。 (末松茂永)

◆南ア、10年ぶりに1位

 ラグビーの国際統括団体、ワールドラグビーは2日、W杯日本大会の結果を反映した世界ランキングを発表し、優勝した南アフリカが2009年11月以来、10年ぶりに1位へ浮上した。準優勝のイングランドは1位から3位に後退し、2位はニュージーランド。日本の8位は変わらなかった。

 

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