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【ラグビー】

[田村一博コラム]日本代表ロス…ラグビーW杯はまだ終わっていない。同じ熱量で世界最高峰の戦いを最後まで感じてほしい

2019年10月24日 23時22分

南アフリカ戦で日本代表に声援を送るファン

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 ラグビーロス。

 10月20日に日本代表が南アフリカに敗れてすぐ、その言葉がちまたにあふれた。

 W杯の主役として大会を盛り上げた赤と白のジャージーは、初めて進出した準々決勝で過去に2度の優勝経験があるラグビー強国に3―26で敗れる。試合翌日まではテレビ番組に日本代表選手たちが登場していたけれど、数日のうちに露出は減った。

 11月2日のファイナルまでW杯は続く。それなのに…。

 日本代表が多くの国民を引き付けた事実はたまらなくうれしい。しかし、ラグビーロスは、実は日本代表ロスだから少し寂しい。3位決定戦も含めてあと4試合残っている世界最高峰の戦いも、多くの人に日本代表戦並みの熱中度で見てほしい。ラグビーロスの大量発生は大会終了時でいい。

 今回の日本躍進で高まった熱は、早々に消えて無くなるのか。メディアへの大量露出がなくなるのは仕方ないが、世界的なイベントが1か月半に渡って催された国として、街角のどこかにその名残がいつまでもある国であってほしい。

 筆者は1964年生まれ。東京五輪の年にうぶ声をあげた。父は最初、「五輪男」と書いて「いわお」と名付けようとしたそうだ。今年生まれた女の子が「さくらこ」と名付けられたら、それも、W杯が開催された結果かもしれない。

 トップリーグ、東芝の監督に就任したトッド・ブラッカダーさんに今大会開幕前に話を聞いた。オールブラックス(ニュージーランド代表)の主将も務めたことがあるその人に、記憶に残るシーンを尋ねたら、18歳のころの出来事を話し始めた。

 「田舎の普通のクラブでいつもの試合の後、街のバーでビールを飲んでいたら、近くで飲んでいたおじさんが、『きょうの試合を見たぞ。おまえはいつかオールブラックスになれる』と言ってくれたんです。そのときのことをいつまでも覚えています。日常の中に、そういう光景がある。それは現在もある。それがある限り、母国のラグビーは強いままだと思っています」

 日本もこのW杯をきっかけに、いつかそんな国に。それは、トップ4に入るためのひとつの条件なのかもしれない。(ラグビーマガジン編集長)

 

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