トップ > 中日スポーツ > ラグビー > 記事一覧 > 記事

ここから本文

【ラグビー】

7人制代表 徹底リハで東京五輪“体感”

2019年8月3日 紙面から

「試合前」の国歌斉唱。スタンドは無人でも音楽は大音量で流れた=味の素スタジアムで

写真

 1年後に東京五輪が行われる7月28日から30日までの3日間、男女7人制ラグビーの日本代表が、五輪会場となる東京・味の素スタジアムでシミュレーション合宿を敢行した。試合会場や日程、時間を合わせただけでなく、会場では歓声を大音量で流し、国歌吹奏も行うなど徹底的にリハーサル。他国にマネできない具体的な準備で、五輪メダル獲得の野望に手をかける。 (文・写真=大友信彦)

 スタジアムに大音量の音楽と歓声が流れる。隣にいる人の声もよく聞こえない。だが、スタンドに人影はない−。音が出ているのはスタンド上部に設置されたスピーカーからだった。

 7月30日、東京都調布市の味の素スタジアムでは、1年後に迫った東京五輪の7人制ラグビーに向けたシミュレーション合宿が行われていた。

 五輪では、男子が7月27日から29日まで、女子が同30日から8月1日まで、それぞれ3日間ずつ行われる。そのちょうど1年前に、男女の日本代表は本番に近い日程で、本番と同じ会場を使い、本番を疑似体験する合宿を敢行したのだ。

 「より明確に、ビジュアル的にイメージできました。動線の複雑さも感覚で理解できました」

 女子の中村知春主将はそう話した。シミュレーション合宿では、試合時間にあわせて会場入り。今回は府中市内のホテルに泊まったが、本番で晴海の選手村からの移動を想定し、会場へもクルマは遠回りして時間をかけて移動。試合は大柄な外国チームを想定して男子大学生チームと3日間、午前と午後の2試合ずつ、計6試合を行うハードな日程。その試合も音楽や歓声を大音量で流す中で行い、連係プレー、意思疎通の難しさも体感した。

 「大会1年前の同じ時期に、ここを経験できるのは私たちだけ。大きな音の中でプレーすることにも1日ごとに慣れたし、この経験はアドバンテージになる。スタッフに感謝しています」と中村は手応えを口にした。

 試合ではアップ会場から歩いて移動し、ピッチへはレフェリーを先頭に整列して入場。最終日の最終戦を想定した30日午後のセッションでは試合前に国歌も斉唱。総仕上げとなった試合は、男子に2トライを先行されながら中村の3トライを含む4トライを奪い返して28−12の逆転勝利。「チームが目指す走り勝つという方向通りの戦い方をタフに実行してくれた」と稲田HCも高く評価した。

 続いて始まった男子の最終戦は、試合の前に国歌を斉唱した女子とは違い、セレモニーなしで試合へ。岩渕HCは「午前中の準決勝で負けたからです」と説明。最終戦は銅メダルをかけた3位決定戦を想定した試合となったが、ここで躍動したのが前回のリオデジャネイロ五輪では現地入りしながらバックアップ登録に回り、試合出場のならなかった藤田慶和(パナソニック)だ。

 開始0分に思い切りのいい突破から判断のいいパスで本村(ホンダ)の先制トライをアシスト。後半1分には大きなストライドの豪快ランで自らトライを決め、コンバージョンもすべて成功。35−14の勝利に貢献した。

 「暑さや湿気を体感できたし、本番のイメージをしっかりつかめた」と言った藤田は、表情を引き締めた。

 「リオでは試合に出られず悔しい思いをしたし、五輪への思いは人一倍強い。けれど、そればかり考えると今のプレーがおろそかになる。今を大事にして積み上げていきたい」

 男女ともワールドシリーズの“コアチーム”からは降格してしまった日本だが、「自分たちのペースで強化合宿を組めるプラス面もある」と女子の稲田HC。男子の岩渕HCも「五輪には特殊な雰囲気がある。応援をプレッシャーじゃなく力にしてほしい」と言葉に力を込めた。シミュレーション合宿で、自国開催の五輪でのメダル獲得への進路図が見えてきた!

 

この記事を印刷する

PR情報


閉じる
中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ