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【競馬・ボート・競輪】

『馬コロナウイルス』も実は存在する…獣医師競馬記者が話題の新型肺炎を語る

2020年1月23日 13時15分

中国東方航空の客室乗務員もマスク姿(AP)

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 中国での「新型肺炎」の話題が各メディアで大きく報じられている。病原体は「新型コロナウイルス」と呼ばれている。問題となっているウイルスの個別の事情については、人に感染する様式や、感染時の転機など、詳しくは分かっていないことが多い。各種報道や厚労省などが発する情報には注意を払いたい。

 こうした新興感染症に警告が発せられるとき、しばしば病原ウイルスの名前が耳慣れず、情報を受け取るのに立ち止まってしまうことはないだろうか。記者は獣医師ではあるが、あてはまる。学生時代から微生物系は丸覚えが多くて苦手だった。この種のニュースは構えて聞いて、慎重に理解するよう努めている。

 ややこしいのはまれに感染症やウイルスの名前が変わることもあることだ。例えば食中毒の原因ウイルスとして悪名高きノロウイルスは、最初は「小型球形ウイルス」として覚えた。これも社会面に載ることのある「高病原性鳥インフルエンザ」は、記者が獣医学科に入るちょっと前まで「家禽(かきん)ペスト」と呼ばれていた。国家試験を控えた時期、法定伝染病を覚える語呂合わせが、従来のものを注釈付きで覚えるか、新たに練り直すか、微妙に揺れていた。ただ、微生物学や公衆衛生学の進歩と表裏一体の現象なので、受け入れるほかない。

 ウイルスの分類は、主に遺伝子の種類(DNAかRNAか、1本鎖か2本鎖か)や、ウイルスの外側の構造物によるところが大きい。必ずしも病原体としての振る舞いが種で統一されているわけではない。

 コロナウイルスだって、人でいわゆる「風邪」の原因となるものが数種類知られているほか、近年重篤な呼吸器疾患として発見された「重症急性呼吸器症候群(SARS)」(2002年香港)や、「中東呼吸器症候群(MERS)」(12年中東)の原因ウイルスも含まれる。かといって呼吸器症状が特徴というわけでもなく、馬で知られている「馬コロナウイルス」は、消化器症状が主だ。

 門外漢が系統立った理解をすぐにできるほどウイルスの世界は単純ではないということなのだろう。

 

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