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【競馬・ボート・競輪】

[エリザベス女王杯]オルフェの娘ラッキーライラックが制す!鞍上はオルフェと凱旋門賞に挑んだスミヨン

2019年11月10日 19時46分

エリザベス女王杯を制したラッキーライラック(右)。中央は2着のクロコスミア、左は3着のラヴズオンリーユー

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 赤い糸はつながっていた。勝負の4コーナー。外に持ち出そうとしたその時、スミヨンは一瞬、右に視線を向けた。スペースがある、とジャッジすると、迷わずラッキーライラックを内へと導く。しびれるような反応を示したオルフェーヴルの娘は、先頭に立っていたクロコスミアをターゲットに、信じた末脚を放つ。突き抜けるような感覚。すべてを拭い去ったその先に、栄光のゴールは待っていた。

 拳を握り締め、人さし指をそっと口元にあてる。2014年のジャパンCをエピファネイアとのコンビで制して以来、約4年11カ月ぶりのJRAG1制覇は、騎手魂を激しく揺さぶる1勝となった。「ありがとうございます。この馬がオルフェーヴル(2012年、13年凱旋門賞2着)の子供だということに、とても縁を感じていました。勝てて本当によかったです。あの時の無念を晴らした気持ちです」

 ほぼ勝利を収めたと思えた12年。タッグを組み、凱旋門賞に挑んだあの時の悔しさは、消すことができない。だからこそ、いつか…。この秋、スミヨンは7年ぶりにJRAの短期免許を取得。懸案だった体重管理も肉食をやめて、菜食中心のメニューに変更するとともにトレーニングに励むことで克服してきた。「私自身、ベストの状態で日本に来ることができました。ラッキーライラックは、パドックでのウォーキングがとてもよかったですし自信を持って乗りました。思っていたよりも位置取りは後ろになりましたが、内枠でしたからタメていこうと。内が空いたのは、ラッキーでしたが、切れる脚がなければ、勝てていなかったと思います」。インタビュー後は、自らスタンドのファンに歩み寄り、差し出された色紙にペンを走らせた。

 「なかなか結果が…。やっと勝てた、という気持ちです。枠順を見てあの時のことがよみがってきましたし、いいイメージを持っていました」。松永幹調教師が騎手時代、ファレノプシスで勝利した時と同じ1枠2番からの戴冠。17年の最優秀2歳牝馬は18年のチューリップ賞を制して以来、遠ざかっていた白星と最高の形で再会を果たした。すべては、つながっている。「力を出し切れば、こういう勝利があると確信しました。また期待したいです」。ようやくつかんだ歓声をもう手放さない。この先を見据える指揮官の視線は決意に満ちていた。

 

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