トップ > 中日スポーツ > プロ野球 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【プロ野球】

巨人・上原、異例のシーズン中引退 2軍戦で通用せず決断

2019年5月21日 紙面から

引退会見で涙をぬぐう巨人・上原=東京都内のホテルで(北田美和子撮影)

写真

 「雑草魂」が燃え尽きた。現役最年長、巨人の上原浩治投手(44)が20日、東京都内のホテルで会見し、引退を発表した。日米で先発、中継ぎ、抑えをこなし、日本人初の日米通算100勝100ホールド100セーブを達成。昨年10年ぶりに日本球界に復帰したが、昨秋に左膝を手術、今季1軍登板はなく、「体自体はよくても2軍戦で通用しなかった」という理由で引退を決断。「負けたくない気持ち。反骨心」を燃料に21年間を駆け抜けた右腕がユニホームを脱いだ。

 あふれる涙をこらえきれなかった。突然の引退会見は晴れやかな表情で始まったが、冒頭で「本日をもちまして21年間の現役生活を終えたいなと思います」と切り出すと、「えー…」と言葉に詰まり、あふれ出る涙をハンカチでぬぐう。「これまで自分に関わってくれた方々、みんなに感謝したいと思います。ありがとうございました」と言葉をつなげた。

 昨秋に左膝手術を受け、今季限りの覚悟で臨んでいたが、未練がないわけではない。率直な心境を問われ、「もうちょっとやりたかったな」と答えた。それでも、すぐに「自分で決めた以上、気持ちを切り替えていかないと」と続け、前を向いた。

 「3カ月が勝負と決めていて、2、3、4月と1度も1軍に上がることなく、2軍の試合でも抑えていない葛藤があった」。結果を受け入れて決断し、周囲への配慮から異例の時期の公表に踏み切った。「8、9月にチームが首位争いとかの状況の中で、自分がこういう会見をするのは違う。それだったら早く終わりたいと思った」

 巨人に始まり、メジャーを挟んで、巨人に終わったプロ生活。「(18年に)戻ってくることは正直、考えていなかった。取ってくれた鹿取さん(前GM)、(高橋)由伸(前監督)には感謝したい」。うれしかった思い出には日本では巨人のエースとして活躍した2002年、米国ではレッドソックスの抑えとして胴上げ投手となった13年の優勝を挙げた。

 自身の残した記録を「中途半端かな。どのポジションで全うしたわけではなく、中途半端に先発、中継ぎ、抑えをやっちゃったかな」と自虐的に語ったが、「トリプル100」は世界でも2人目の偉業。日本でも米国でも、どのポジションも高いレベルでこなした実力の証明だ。

 大体大に進学する前に浪人生活を体験するなど、経歴もプレースタイルも、いわゆる野球エリートには当てはまらなかったかもしれないが、唯一無二の価値が上原にはあった。 (小林孝一郎)

 

この記事を印刷する

PR情報

閉じる
中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ