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【大リーグ】

【イチロー 一問一答(6)】ポスティング移籍の裏話 仰木監督をお酒の力で説得

2019年3月22日 19時48分

8回表2死二塁、遊ゴロで一塁に激走するもアウトになるマリナーズのイチロー=東京ドームで(武藤健一撮影)

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 ―00年オフのメジャー移籍、06年のWBC参加、07年オフのマリナーズと契約延長、12年のヤンキース移籍など、その中で一番考え抜いて決断したものは

 「これ、順番つけられないですね。それぞれが一番だと思います。ただ、アメリカでプレーするために、当時、まあ今とは違う形のポスティングシステムだったんですけれども、自分の思いだけでは当然それはかなわないので、当然球団からの了承がないと行けないですね。じゃあ、そのときに誰をこちら側、こちら側と言うと敵味方みたいでおかしいんですけど、球団にいる誰かを口説かないといけないというか、説得しないといけないというか、そのときに一番に浮かんだのが仰木監督ですね。その何年か前からアメリカでプレーしたいという思いを伝えていたこともあったんですけども、仰木監督だったら、おいしいご飯でお酒飲ませたら、飲ませたらって、これはあえて言ってますけど、これはうまくいくんじゃないかと思ったら、まんまとうまくいって、これがなかったら何にも始まらなかったので、その口説く相手に仰木監督を選んだのは大きかったなというのは思いますね。でまた、駄目だ、駄目だっておっしゃっていたものが、お酒でこんなに変わってくれるんだと思って、お酒の力をまざまざと見ましたし、でもやっぱりしゃれた人だったなあ、というふうに思いますね。だから、仰木監督から学んだもの、うん、計り知れないと思います」

 ―現役時代、一番我慢したもの、我慢したことは

 「うーん、難しい質問だなあ。僕、我慢できない人なんですよ。我慢が苦手で、楽なこと楽なことを重ねているという感じなんですね。自分ができること、やりたいことを重ねているので、我慢の感覚がないんですけど、だからもう、とにかく体を動かしたくてしょうがないので、体をこんなに動かしちゃ駄目だといって体を動かすことを我慢するということはたくさんありました。それ以外はなるべくストレスがないような、まあ自分にとってですね、ストレスがないようにというふうに考えて行動してきたつもりなので、家では妻が料理をいろいろ考えてつくってくれますけど、これロードに出ると、何でもいいわけですよね。そうすると、むちゃくちゃですよ、ロードの食生活なんて。だからもう、我慢できないから結局そういうことになってしまうんですけど、そんな感じなんです。だから、今聞かれたような趣旨の我慢は思い当たらないですね。おかしなこと言ってます、僕?」

 ―台湾にイチロー選手のファンがたくさんいる。台湾のファンにメッセージは

 「チェン(元中日、マーリンズのチェン・ウェイン投手)が元気か知りたいですね。チームメートでしたから。チェンは元気にやってますかね? そうですか、ああ、もう、それが聞けて何よりです」

 ―台湾に行くことはあるか

 「今のところ予定はないですけれども、でも以前に行ったことはあるんですよ。一度行って、すごく優しい印象でしたね。あの、心優しくていいなあ、と思いました」

 ―今年は菊池選手がマリナーズ入り、去年は大谷がエンゼルス入り。後輩たちに託したいもの、託すものは

 「雄星がデビューの日に引退を迎えたというのは、何かいいなあと思っていて、もうちゃんとやれよ、という思いですね。うーん、まあ、短い時間でしたけれども、すごくいい子で。やっぱりね、いろんな選手を見てきたんですけど、左ピッチャーの先発って、変わってる子が多いんですよ、本当に。天才肌が多いという言い方もできるんですかね。アメリカでも、まあ、まあ多いです。だから、こんなにいい子がいるのかって感じですよ、こんなに。キャンプ地から日本に飛行機で移動するとき、チームはドレスコード、服装のルールが黒のセットアップ、ジャージーでOKと、長旅なので、なるべく楽にという配慮ですけど、『じゃあ雄星、俺たちどうする?』って。アリゾナをたつときはいいんだけど、日本に着いたときに『さすがに、ジャージーは駄目だろ』って話を2人でしていたんですね。『いやあ、そうですよね、イチローさんどうするんですか』って。いや、僕はまあ、『中はTシャツだけど、セットアップで、一応ジャケット着てるようにしようかな』って。『じゃあ、僕もそうします』って雄星が言うんですよ。で、キャンプ地をたつときのバスの中で、みんな、僕もそうでしたけど、黒のジャージーのセットアップで乗り込んできて、雄星と席が近かったので『雄星、やっぱ、これ駄目だよなって。日本に着いたとき、これメジャーリーガー駄目だろ』って。バスの中でも言ってたんですよ。『いや、そうですよね』って言ったら、まさかのあいつ、羽田着いたときは黒のジャージーでしたからね。いや、こいつ大物だなと思って。いや、ぶったまげました。それは、本人にまだ聞いてないんですけど、その真相は。何があったのか分からないですけど、やっぱ左ピッチャーは変わったヤツは多いな、と思ったですね。でも、そのスケール感は出てました、うん。頑張ってほしいです。まあ、翔平はもう、ちゃんとけが治して、スケールも、物理的にも大きいわけですし、アメリカの選手にも全くサイズ的にも劣らない。で、あのサイズで、あの機敏な動きができるっていうのは、いないですからね、それだけで。いや、もう世界一の選手にならなきゃいけないですよ、うん」

 

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