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【大リーグ】

【イチロー 一問一答(2)】貫いたものは「野球のことを愛したこと」 おかしなこと言ってます?

2019年3月22日 19時33分

試合終了後、残ったファンの声援に応えながら場内一周するイチロー=東京ドームで(北田美和子撮影)

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 ―どんなチームでもどんなでも状況でも応援してくれたファンの存在は

 「ゲーム後にあんなことが起こるとはとても想像もしてなかったですけれども、実際にそれが起きて、19年目のシーズンをアメリカで迎えていたんですけれども、なかなか日本のファンの方の熱量っていうのは普段は感じることが難しいんですね。でも、久しぶりにこうやって東京ドームに来て、ゲームは基本的に静かには進んでいくんですけれど、何となく印象として日本の方っていうのは表現することが苦手っていうか、そんな印象があったんですけれども、それが完全に覆りましたね。その内側に持っている熱い思いというのが確実にそこにあるということ。そして、それを表現したときの迫力というのは、とても今まで想像できなかったことです。ですから、これは最も特別な瞬間になりますけれど、あるときまでは自分のためにプレーすることがチームのためにもなるし、見てくれている人も喜んでくれるかな、というふうに思っていたんですけれど、ニューヨークに行った後くらいですかね、人に喜んでもらえることが一番の喜びに変わってきたんですね。その点でファンの方々の存在なくしては自分のエネルギーは全く生まれないと言ってもいいと思います。え、おかしなこと言ってます、僕? 大丈夫ですか」

 ―貫いたもの、貫けたものは何でしょう

 「(しばし沈黙の後)野球のことを愛したことだと思います。これは変わることはなかったですね。おかしなこと言ってます、僕? 大丈夫?」

 ―グリフィーJrが「肩のものを降ろしたとき、また野球が楽しくなるという瞬間がある」と言っていたが、そういう瞬間はあったか

 「プロ野球生活の中でですか? ないですね、これはないです。ただ、子供のころからプロ野球選手になることが夢で、それがかなって、最初のどうですかね、まあ最初の2年、18、19のころは1軍に行ったり来たり。行ったり来たりっておかしい? 行ったり、行かなかったり? あれ、行ったり来たりって、いつもいるみたいな感じだね。あれ、どう言ったらいいんだ? 1軍を行ったり、2軍に行ったり? そうか、それが正しいか。そういう状態でやってる野球はけっこう楽しかったんですよ。94年、仰木監督と出会って、レギュラーで初めて使ってもらって。この年まででしたね、楽しかったのは。あとはなんかね、そのころから急に番付上げられちゃって、一気に。それはしんどかったです。やっぱり力以上の評価をされるというのは、とても苦しいですよね。だから、そこからはね、もう純粋に楽しいなんていうことは、もちろん、やりがいがあって達成感を味わうこと、満足感を味わうこと、たくさんありました。ただ、じゃあ、楽しいかっていうと、それとは違うんですよね。でも、まあ、そういう時間を過ごしてきて、将来はまた楽しい野球がやりたいなというふうに、まあ、これは皮肉なもので、プロ野球選手になりたいという夢がかなった後は、そうじゃない野球をまた夢見ている自分が、あるときから存在したんですね。でも、おそらく中途半端にプロ野球生活を過ごした人間には、おそらく待っていないもの。まあ、趣味でやる草野球に対して、やっぱりプロ野球でそれなりに苦しんだ人間でないと草野球を楽しむことはできないのではないかというふうに思っているので、これからはそういう野球をやってみたいな、というふうな思いですね。おかしなこと言ってます、僕? 大丈夫?」

 

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