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【高校野球】

前、感謝の甲子園ラス投 三重・津田学園16強入りならず

2019年8月14日 紙面から

津田学園−履正社8回裏履正社2死二塁、再登板し、内倉を左飛に打ち取る前=甲子園球場で(七森祐也撮影)

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 2回戦4試合があり、星稜(石川)は立命館宇治(京都)に6−3で勝ち、5年ぶりに3回戦に進出。今秋ドラフト1位候補の奥川恭伸投手(3年)は6回途中から無失点リリーフを見せた。星稜は春夏通算30勝目。津田学園(三重)は履正社(大阪)に3−7で敗れ、初の16強入りを逃した。智弁和歌山は7回に3本塁打を集中し、明徳義塾(高知)を7−1で圧倒した。

◇全国高校野球選手権<第8日> 津田学園3−7履正社

 最後のアウトを託されたのは、やはりエースだった。4点ビハインドの8回2死。4回から一塁に移っていた津田学園の先発・前佑囲斗投手(3年)が、再びマウンドに上がった。「もう一度マウンドに戻そうと、みんなが言ってくれた。高校生活で一番幸せだった」。5番・内倉をカットボールで左飛に打ち取った152キロ右腕。声を詰まらせたのは、敗れた悔しさではない。仲間の思いが心に染みたからだ。

 初戦5本塁打の履正社打線は想像以上だった。2回に3安打で先制を許すと、3回は4番・井上の二塁打を皮切りに、四球を挟んで長短4連打で5失点。3イニング9安打6失点で降板し、一塁へ移った。「コース、コースの気持ちが強かった分、腕の振りが弱かった。甘い球は持っていかれた」。初の甲子園2勝と16強入りはならず。18歳のバースデー登板を自ら祝うこともできなかった。

 6月の北陸学院(石川)との練習試合で0−3で完敗。前は本塁打を浴び、打線も完全に封じられた。センバツ出場校を倒そうと気迫を前面に出す相手に押し切られ、試合後のナインはまるで甲子園出場を逃したかのようにうちひしがれた。

 悔しさを忘れないよう、自校グラウンドのスコアボードに、1〜9回のスコアを掲示した。「あの試合が転機になった」。重圧を乗り越え、春夏連続出場。春は成し遂げられなかった1勝を手にした。「最後まであきらめずに全員で戦えた。一生懸命やってきて良かった」と胸を張った。

 高校野球はこの日が最後となったが、前には次のステージがある。プロ志望届を提出し、ドラフト指名を待つ予定だ。春夏の甲子園で学んだ教訓を胸に、新たな挑戦をスタートする。 (麻生和男)

 津田学園の2番手・降井が甲子園初登板し、4回から8回2死まで7奪三振1失点と力投。前が6失点した直後に、試合を立て直した。センバツでベンチ入りしたが、龍谷大平安との初戦では、手をつった前を救援できず、実力不足を痛感。大会後は練習から私生活の振る舞いまで前を観察し、チームの信頼をつかんだ。役割をまっとうした右腕は「力を出し切れて満足している」と汗をぬぐった。

 津田学園の4番・前川は6回の1安打に終わり、今大会に出場した智弁学園(奈良)の4番で、2学年下の弟・右京に続いて2回戦敗退。試合前に右京からLINE(ライン)で「やり切ってこい」と連絡があり、闘志を燃やしたが届かなかった。最初で最後の“兄弟4番”の夏を終えた前川は「全力プレーを貫き、やり切れた」と涙を見せず、右京に「全国ナンバーワンになってほしい」と期待した。

 津田学園・前川の父・栄二さんは、2日連続でアルプス席で声を枯らした。12日は前川の弟で智弁学園4番・右京を応援、グッズを赤と白の智弁スタイルから、緑の津田学園スタイルに入れ替えて、13日に再び津から訪れた。

 練習試合は最終学年の前川の応援が中心だが、甲子園では2人の試合を見た。 栄二さんは炎天下での応援となっても「甲子園に2人とも出てくれた分、精いっぱい応援する」と思いを込めたが届かなかった。

6回表津田学園1死一塁、中前打を放つ前川(松田雄亮撮影)

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