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【ゴルフ】

「体の小さい子の励みに」 158センチの比嘉V 母も涙

2019年9月2日 紙面から

ギャラリーに囲まれ、涙ながらに引き揚げる比嘉一貴=芥屋GCで(大西洋和撮影)

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◇RIZAP・KBCオーガスタ<最終日>

 ▽1日、福岡県糸島市、芥屋GC(7103ヤード、パー72)▽雨、22・1度、北北東1・7メートル▽賞金総額1億円、優勝2000万円▽68人(うちアマ4人)▽観衆4806人

 ツアー2年目の比嘉一貴(24)が66で回り、通算26アンダーに伸ばしてツアー初優勝を飾った。5バーディー、1ボギーで来た18番をイーグルで締め、2日目からのトップを守り切った。後続に5打差をつける圧勝で、26アンダーは大会記録を4打更新した。3戦連続優勝を狙った石川遼(27)=カシオ=は18番グリーン上で誤所からのプレーにより2打罰を科され、通算15アンダーで13位に終わった。

 ツアー史上、最も背の低いチャンピオンが誕生した。身長158センチの比嘉は、あごの高いバンカーに入ると、体がすっぽり隠れるよう。だが、18番グリーンで5メートルのスライスラインをねじ込み、イーグル締めで両手を天に突き上げた姿は、誰よりも大きかった。

 絶妙な距離感のパッティングで、2日目に首位に立った。3打リードして迎えた最終日も、1番で7メートルを沈めてバーディー発進。その後もピンチらしいピンチはなし。喜怒哀楽をほとんど表さないプレーぶりで、18ホールを走り抜いた。

 背が低いことのハンディは、いつも感じている。「海外では2メートル近い選手とも闘う。飛距離で30〜40ヤード違ってくる。ボールも彼らより上げにくい。でも、それはどうしようもないこと。その分、自分は全部がうまくなればいい」。パッティングの技術は、その思いで磨いた。

 ポーカーフェースでプレーを続けたが、優勝を決めてグリーンそばに沖縄から応援に来た家族の姿を見つけると、ついに涙腺が緩んだ。母・恵子さん(47)は「この優勝で、体が小さい子供たちの励みになってくれるのでは」と涙ながらに喜んだ。

 2日目に63を出したとき、東北福祉大の先輩・松山英樹(27)=レクサス=から「ナイスプレー」とLINEが入った。「それが僕には『優勝しないとだめだぞ』と言われているように感じた。松山さんが勝っていない大会に勝てたのはうれしい」と、プレー中には見せない笑顔を浮かべた。その松山は、10月のZOZOチャンピオンシップ(千葉・習志野)にやって来る。「僕もそれまでにもう1回勝って出場権を取り、同じステージに立ちたい。そして、その先には東京五輪も」。小さな王者の大きな目標が定まった。 (大西洋和)

<比嘉一貴(ひが・かずき)> 1995(平成7)年4月23日生まれ、沖縄県うるま市出身の24歳。158センチ、67キロ。10歳からゴルフを始め、本部高時代は宮里3きょうだいの父・優さんに師事。東北福祉大時代の2015年ユニバーシアード団体・個人とも金、16年日本オープンローアマなど獲得。17年11月プロ転向。18年賞金ランク60位で初シード獲得。独身。

 

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