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【名古屋オーシャンズ】

オーシャンズ、残り49秒で執念の決勝弾 アジア王者の貫禄見せた

2019年9月2日 9時23分

ピヴォとして前線で存在感を放ち、強烈なボレーシュートを決めた星翔太(名古屋オーシャンズ提供)

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 名古屋オーシャンズは23日、東京・大田区総合体育館でFリーグ第14節のフウガドールすみだ戦に臨み、4−3で逆転勝利を収めた。アジアクラブ選手権で3年ぶり4度目のアジア制覇を達成したオーシャンズは17日の決勝から中5日で、8月に入って8試合目の公式戦という過密日程。疲労の蓄積を感じさせ、立ち上がりにいつものようなキレ味の鋭さがなく、後手に回る展開が目立った。

 それでも、3−3で迎えた残り49秒、パワープレーから相手を翻ろうするパスワークを見せ、最後はラファ(26)がフィニッシュ。8月4日の第12節に喫した痛恨の2敗目の鬱憤を晴らす劇的な勝利で、リーグ3位につける難敵を退けた。

 試合後、フエンテス監督(39)が「正直、コンディションは万全ではなかった」と漏らしたように、6月の前回対戦で、リーグ最多得点記録となる15−2で圧勝した相手に後手を踏んでしまった。5分、自陣左サイドでキープした吉川智貴(30)が背後からファウルすれすれのプレスでボールを失い、そのまま先制点につなげられてしまう。その後は少しずつチャンスを増やしながら得点機会をうかがい、15分には中央左のペピータ(31)が華麗な足技で2人を抜き去ってシュート。GKに弾かれたところを安藤良平が詰め、同点とした。

 流れを引き寄せて前半を折り返すと、24分にはハーフ付近のラファからの鋭いパスを受けたゴール前の星翔太(33)が、トラップと同時に反転ボレーを突き刺す圧巻のゴールで勝ち越した。28分にシュートブロックでコースが変わる不運な失点で追いつかれてしまったものの、31分にはアジアクラブ選手権でも圧巻のパフォーマンスを見せたペピータが躍動。自陣右サイドからドリブルを開始すると、相手と競り合いながら斜めに縦断し、ゴール左45度の位置から左足でフィニッシュ。態勢を崩しながらも逆サイドネットに突き刺す勝ち越し弾を放った。

 しかし34分、ゴール前を崩されて失点。三度、振り出しに戻った。ここでフエンテス監督は、ある決断に出る。残り3分から、GKのユニフォームを着たペピータが守護神・篠田龍馬(29)と交代し、ゴールをガラ空きにして攻め込む「パワープレー」を開始したのだ。勝ち越し点を奪われかねないリスクを負った戦略の決断は難しいものだが、指揮官には狙いがあった。

 「(パワープレーをしない状態での)チャンスもあったが、(失点の)リスクも感じていた。主力選手の人数も限られていたので、(ボールをキープすることで)一度、息を整え、ゲームを落ち着かせたかった」

 常に冷静沈着な采配を振るう知将・フエンテスの判断は奏功する。自分たちのリズムでボールを回し、呼吸を整えながら相手を揺さぶると、残り49秒で示し合わせたような連係プレーを見せる。左サイド奥の星翔太にパスが入った瞬間、逆サイドのペピータが中央に入り込み、星翔太からの折り返しを受けてファーへ送る。これをラファが確実に流し込み、ダイレクトパス2本で決勝点をもぎ取ったのだ。

 前回に大敗した雪辱を誓い、並々ならぬ思いで挑んできた相手に比べ、コンディションの上がり切らないオーシャンズ。どちらに勝敗が転んでもおかしくない内容だったが、アジアの頂点に上り詰める過程で研ぎ澄まされた勝負強さが最後にものを言った。

 次節は、8月31日に大阪市の丸善インテックアリーナ大阪でボアルース長野と今季2度目の対戦。Fリーグ1部昇格初年度の戦いに苦しみ、ここまで3分11敗の最下位チームではあるが、横沢直樹監督はあらゆる奇策で対戦相手を苦しめる鬼才だけに油断は命取りとなる。

 さらに、すみだ戦で全治約3カ月の大ケガを負った星龍太(32)の離脱も不安材料。守備の要であり、チームの精神的なリーダーが不在の中で求められるのは、急場を任される笠井大輝(25)や出場機会の少ない水谷颯真(23)、鬼塚祥慶(21)といった若手陣の奮起。過酷な戦いが続く8月の9試合目を、総力戦で乗り切りたいところだ。(スポーツライター・本田好伸)

 

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