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【フィギュア】

“キスクラでの涙”といえば…ジャンプ修正が急務の宇野昌磨はこのままでは終わらない[番記者コラム]

2019年11月3日 13時31分

フリーで演技する宇野昌磨(AP)

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◇2日 フィギュアスケートグランプリ(GP)シリーズ第3戦フランス杯・男子フリー(グルノーブル)

 男子ショートプログラム(SP)4位の宇野昌磨(21)=トヨタ自動車、中京大=はフリーもジャンプの転倒が相次いで136・79点の9位と振るわず、合計215・84点の8位に終わった。ファイナルを含むシニアGP13戦目で初めて表彰台を逃した。世界選手権2連覇中のネーサン・チェン(米国)がSP、フリーともに1位の合計297・16点で第1戦のスケートアメリカに続いてGP2連勝を果たし、シリーズ上位6人で争われるファイナル(12月5〜7日・トリノ)進出を決めた。

 これほど多くミスをした試合をシニアの舞台で見るのは初めてだった。宇野はたった1人で座ったキス・アンド・クライで目を赤くして泣いていた。「あのような演技をして、歓声をたくさん送っていただいたことへのうれしさと、なんか言葉では表現できない涙が出てきた」。悔しいからではなく、感謝の気持ちがこみ上げた涙。そこにあの日との違いがあった。

 シニアに転向して初めて挑んだ2016年4月の世界選手権。ふがいない演技をしたフリーを終えると、得点を待つキス・アンド・クライで号泣した。当時18歳。7位に終わった試合後もぼうぜんとしていたと記憶しているが、この日は違った。「今日のフリーはどれだけミスをしても、最後まで諦めずに、思いっきりいけたんじゃないかなと思う」。弱気な発言を繰り返したSP後とは違って、最後まで立ち向かった“戦士”のような目をしていた。

 メインコーチが不在という異例の事態で迎えた今季。一番気になったのはジャンプが崩れていたことだ。得意のトリプルアクセルをSP、フリーで3つも転倒するなど考えられない。メインコーチがいない中、ジャンプコーチとして本田武史さんに指導を仰いでいるようだが、普段の練習でどこまで的確な助言をもらっていたか。宇野と本田コーチの拠点が名古屋と大阪では距離の問題もあったはず。やはり、メインコーチ不在の影響は、宇野が想像していた以上に大きかったのではないか。

 「今回のフランス杯にはお母さんが現地にきているんですけど、コーチ不在の今はいろんな方に支えていただくことが多い。ただ、ここ数試合経験して、やはりコーチがいた方がいいのかどうか。断言はできないんですけど、僕の弱さを少しでも一緒になってくれるコーチをつけたほうがいいのかなと思っているところです」

 思えば宇野はあの日の号泣から成長を遂げて五輪銀メダリストにまでなった。“キスクラでの涙”は成長への出発点か。このままでは終わらないと信じている。(辛仁夏)

 

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