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【フィギュア】

紀平、4回転ジャンプへの道を専門家が分析 理論上は成功条件を既に満たす

2019年5月17日 紙面から

国別対抗で演技する紀平梨花=4月13日、マリンメッセ福岡で

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 2018−19シーズンが幕を閉じ、新シーズンへと向かうフィギュア界。この1年で大きく躍進したのが、トリプルアクセルを武器にGPファイナルを制した紀平梨花(16)=関大KFSC=だろう。夢は「北京五輪で優勝」。来季はさらなる進化を求めて挑む4回転ジャンプの習得が勝負の鍵を握りそうだ。4回転の難しさと成功のポイントについて、愛知淑徳大学の池上康男教授(69)、桐蔭横浜大学の桜井智野風(とものぶ)教授(53)に聞いた。 (取材・構成=國島紗希)

◆高難度化

 世界トップで戦い続けるために−。紀平が来季目指すのは4回転ジャンプの習得だ。平昌五輪翌年だったこの18−19年は、ジュニア世代を中心に女子選手が次々と4回転を成功。今後シニアに参戦する彼女らと戦うためには、ジャンプ高難度化の波に乗らなければならないと考えている。

 3回転から4回転へと回転数を増やすには、池上教授、桜井教授ともに「滞空時間を増やす、または回転スピードを上げることが必要」と指摘する。フィギュアのジャンプは「跳ぶ」動作と「回転する」動作の両方が必要。野球に例えると、球速と制球力を同時に求めるようなもの。球速を上げればコントロールは乱れがちになり、制球を求めれば球速は落ちやすい。2つの異なる動作を求めるという意味で「滞空時間を増やすことと回転との両立は難しい」(池上教授)と言うのだ。

◆高さ距離

 池上教授が長野五輪で行った研究では、クーリック(ロシア)、郭政新(中国)が跳んだ試合での4回転と本田武史が練習で着氷した4回転の動画を解析。滞空時間は0・68〜0・73秒だった。クーリックは飛距離2メートル半に対し重心が56センチ上がり、本田さんは3メートル以上跳ぶのに対し43センチ上がる。つまり高さ、もしくは距離を跳ぶことで滞空時間を得ている。

 桜井教授が動画を解析した結果、紀平はトリプルアクセルの際に飛距離で3メートル20センチほど跳んでいるという。これは本田が4回転を跳ぶ際に要した飛距離に相当しており、同等の滞空時間を得られていると考えられる。よって踏み切り方こそ異なるが、4回転を跳ぶ“土台”は整っている。

◆着氷衝撃

 ジャンプの成否で最後に重要なのが着氷。跳び、回った上で、ジャンプの動きの方向に合わせて回転やスピード、エッジの向きをコントロールし、衝撃に耐えながら降りる技術が求められる。強く跳べば跳ぶほどコントロールは難しく失敗の可能性も増す。紀平自身、初めて試合でトリプルアクセルを成功させたのは16年9月。安定するまでに時間もかかった。4回転も同様に武器となるには時間が必要だろう。

 それでも紀平は今後必要なものとして「4回転」と断言する。理論上は成功の条件を満たしていると考えられる紀平の4回転。練習でも好感触を得始めている。あとは繊細な技術を磨き、2022年の北京五輪金メダルの夢へつなげたい。

 

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