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【フィギュア】

アクセル1本勝負の紀平 逆転で四大陸制覇!

2019年2月10日 紙面から

四大陸選手権の女子フリーを終え、ガッツポーズする紀平梨花。初優勝を果たした=米アナハイムで(共同)

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◇四大陸選手権

 【アナハイム國島紗希】欧州以外の国・地域が参加する四大陸選手権第2日は8日、当地で行われ、女子はショートプログラム(SP)5位の紀平梨花(16)=関大KFSC=がトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を決めるなどフリー1位の153・14点、合計221・99点で逆転で初優勝を飾った。SP8位の三原舞依(19)=シスメックス=が合計207・12点で3位。SP2位の坂本花織(18)=シスメックス=は合計206・79点で4位に終わった。

 ミスは許されない。16歳の少女はポジティブに、そして冷静に受け止めて、試練を乗り越えた。ビシッと決めるはずのフィニッシュのポーズでふらついたのはご愛嬌(あいきょう)。ピアノの音色が静まると同時に、米国の観客は総立ちになり、割れんばかりの大歓声だ。「よかった!」。心からのガッツポーズで演技を締めくくると、紀平は自らにも小さく拍手を送った。

 演技前の一番の焦点は、今季多くの試合で2本組み込んできたトリプルアクセル。1本か2本か。浜田美栄コーチは「2本目は自分の感覚があるから自分で判断したらいい。決めたら迷うな」とそっと背中を押した。直前の6分間練習まで迷い続けた。しかし、そこから16歳とは思えぬ冷静さで自身の状況を見極め、判断した。

 「思った以上に試合のリンクに慣れきっていなかった。2本はちょっと難しいかなと感じたので、無理することなく、安全に良い成績を残せるように、1本と考えた」

 流れるような冒頭のトリプルアクセル。そしてダブルアクセル−3回転トーループ。その後も大きなミスなく演じ切った。「いつもより集中できていたので、そこがすごくよかった」。重圧から解き放たれ、爽やかな笑みで振り返った。

 逆転の紀平だ。首位との5・06点差をはねのけてつかんだタイトルは、シニアに転向した今季3度目の逆転優勝。米国入り後に左足の靴を替え、左手薬指の亜脱臼もあった。その影響でジャンプの調整が遅れ、リンクの感触はつかみきれないまま。テープの固定で左手は握れず、跳ぶときの腕の位置も少し右に変えた。それでも「集中して前を向いてやるしかない」。不安を数えるのではなく自分を信じた。心が強く、たくましくなった。

 ただ、浜田コーチは「靴の準備、体のこと、いろいろなことが自分のミス。ちゃんと自分で処理できるようになってほしい」と指摘。「どんどんプレッシャーは大きくなるけれど、自分を見失わずに、自分がやれることをいつもできるように」と課題を挙げた。

 3月には世界選手権が日本で開かれる。劇的なドラマが続く16歳のシンデレラストーリーは、最高のエンディングへと向かっている。

 

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