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【フィギュア】

紀平、ジャンプ失敗でSP5位 宇野は4位

2019年2月9日 紙面から

◇四大陸選手権SP

 【アナハイム國島紗希】欧州以外の国・地域が参加するフィギュアスケートの四大陸選手権は7日、当地で開幕し、男女ショートプログラム(SP)が行われた。グランプリ(GP)ファイナル女王で左手薬指を亜脱臼している紀平梨花(16)=関大KFSC=は、冒頭のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)の失敗もあって68・85点で5位。昨年12月の全日本選手権を制した坂本花織(18)=シスメックス=が自己ベストを更新する73・36点で、首位のブレイディ・テネル(米国)と0・55点差の2位につけた。男子は平昌五輪銀メダルの宇野昌磨(21)=トヨタ自動車、中京大=が91・76点で、首位に立ったビンセント・ゾウ(米国)と8・42点差の4位だった。

◆紀平梨花 失敗の後持ち直す 逆転Vあるぞ!!

冒頭に挑んだトリプルアクセルが1回転半になった紀平梨花のジャンプ=アナハイムで(共同)

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 心は決めたはずだったが、わずかな不安と迷いが演技に現れた。トリプルアクセルを狙った冒頭。空中で体が開き、1回転半になった。得点はSPの必須要素を満たせずに0点。「ミスが起こってもおかしくないような練習量だった」と紀平。進むべき道が定まっていなかった。

 5日の練習中に左手薬指第2関節を亜脱臼。その後の練習は、患部を固定した中で跳ぶ感覚を確かめ続けた。翌6日に着氷したトリプルアクセルはわずか2本。当日7日朝の公式練習でも2本だった。直前の6分間練習でも成功なし。普段は何より多くの時間を費やす大技への準備が、明らかに足りていなかった。

 負傷による「怖さはなかった」とは言うが、踏み切りで力を込める際の「気持ち悪さ」や「『握りたい』という気持ち」はあったそうだ。ただ、冒頭の失敗以外は持ち直した。フリップ−トーループの2連続3回転、3回転ルッツは鮮やかに決めた。昨年12月のGPファイナルを初出場で制した16歳は、首位と5・06点差の5位でまとめた。

 まだ“逆転圏内”。そう思えるのは、伝家の宝刀があるからだ。今季はNHK杯、フランス杯ともに逆転優勝。さらにいえば2位だった全日本選手権を含めて6戦全てでフリーは1位だ。今季のフリーは大半の試合で2本のトリプルアクセルに挑んでおり、2本決めれば逆転の可能性は高まる。現段階では「1本は絶対」とし、公式練習後に決断するが、刀は研いでこそ輝きを増す。練習量を増やし“宝刀”に磨きをかけていく。

 この日の演技直前、浜田美栄コーチから「真のチャンピオンになるにはこういう試練も必要」と諭された。「今の経験を生かして(フリーは)決められるように頑張りたい」。真の女王へ、いばらの道を突き進む。

◆宇野昌磨 捻挫影響… フリーは「もっと攻め続けたい」

男子SPで4位だった宇野昌磨の演技(共同)

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 優勝候補の大本命に、厳しい現実が突きつけられた。宇野は難度を落とした構成でミスを連発。五輪王者の羽生結弦(ANA)も、世界王者のチェン(米国)もいない大会で4位発進。「満足いく演技ではなかったが、悔しいと言えるほど練習をしてこなかった。悔しいと言う権利はない」と振り返った。

 昨年末からの1カ月余りで3度も右足首を捻挫したことで、SPは4回転フリップを回避。4回転はトーループのみ、連続ジャンプはサルコー−トーループの3回転にしたが、そのいずれも着氷が乱れた。「滑っていて練習不足だなとすごく思った。もっと強気に失敗を恐れずにいってもよかった」と悔やんだ。

 表彰台を逃したのは、7位に終わって悔し涙を流した2016年の世界選手権(米ボストン)が最後。以降は国内外を含めて個人戦22試合連続で表彰台を確保してきた。昨年12月の全日本選手権でもSPで右足首を痛めたが、フリーは痛みをこらえ、攻めの姿勢で3連覇を達成している。

 「あの思い切りが僕には必要だと思った。守らずに、もっと攻め続けたい」。SP首位が18歳で17年世界ジュニア王者のゾウで、同2位が17歳で18年GPファイナル3位の車俊煥(チャ・ジュンファン)=韓国。フリーまで中1日、平昌五輪銀メダリストの21歳としては、簡単に道を譲るわけにはいかない。

◆坂本花織2位「出来は98%」 会見で大物っぷり発揮

冒頭のジャンプを決める坂本花織(共同)

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 ピカイチの安定感で全日本女王の誇りを示した。「やばいくらい緊張した」という坂本は全ての要素で加点がつく、ほぼ完璧な演技を披露。最後のスピンで若干ふらつき「バカなことをした」と苦笑いを浮かべるも、国際スケート連盟公認大会の自己ベストを2・07点更新する73・36点に「きょうの出来は98%」と笑顔でうなずいた。

 上位3選手が出席する会見の冒頭では、多くの海外メディアの前で「とても幸せです。この結果に満足しています」と英語で対応。語学力向上を目指しているのかと思いきや「会見の前に調べておいた」とニヤリと笑った。もちろん、その後の質疑応答は全て日本語で答えたが、堂々たる語り口調に大物っぷりが強くにじみ出た。

 今大会は男女を通じて連覇者がいない。首位のテネルとはわずか0・55点差だが、今季のフリーのベストは坂本が5点以上も上回っている。「フリーは自分のできる限りの精いっぱいを出して、自己ベストを更新したい」。持ち味を十二分に発揮すれば、初の偉業も決して夢ではない。

◆フリーは完璧に 三原8位

女子SP8位と出遅れた三原舞依(共同)

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 女子SPで三原は持ち前の伸びやかさを欠いた。冒頭のルッツ−トーループの2連続3回転ジャンプではトーループが2回転と判定されて着氷も乱れ「一瞬顔が死んでいた」。ステップでもレベルを取りこぼし、まさかの8位発進に「本番でできないのが自分の弱さ」と嘆いた。

 2年ぶりのタイトルは厳しい状況となったが、フリーでは2季続けてきた得意のプログラムを演じる。「ノーミスで完璧な演技をする」と気合を入れ直した。 (共同)

◆ジャンプでミス 刑事7位

 男子SPで昨年4位の田中は冒頭の4回転サルコーが回転不足となり、着氷で右手を氷に付いた。その後は立て直し、ルール改正後の自己ベストを更新したが「まだまだ失敗している部分が得点に出ている」と笑みはなかった。3月の世界選手権(さいたま)を見据え「よい感覚をつかみたい」と臨む舞台。4回転サルコーを2度跳ぶ予定のフリーに向け「自分にチャレンジする気持ちでやらないといけない」と自らに言い聞かせるように話した。 (共同)

◆テネル、自己最高で首位

女子SP 演技する米国のブレイディ・テネル(共同)

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 昨季の全米選手権覇者で21歳のテネルがルール改正後の今季自己最高を更新する演技で首位に立った。167センチの長身を生かしたダイナミックな2連続3回転などのジャンプや華麗なスピンを見せ、トップの技術点を稼ぎ「やってきた練習を信じた。とても満足している」と悦に入った。

 自国開催で大歓声を一身に浴び「たくさんのエネルギーをもらえている」と言う。フリーに向け「SPと同様に自己ベストを出すことが目標」と声を弾ませた。 (共同)

◆18歳ゾウ、初の100点超え

男子SPでトップに立った米国のビンセント・ゾウ(共同)

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 男子SPで18歳のゾウが国際スケート連盟公認大会で初めて100点を超える高得点でトップ。冒頭で4回転ルッツ−3回転トーループ、さらに4回転サルコーを決め、ルール改正後の自己ベストを一気に22・72点も更新し「練習の成果を出せた。自分のスケートに満足している」と目を輝かせた。昨年の平昌冬季五輪で6位に入り、2022年北京五輪でも活躍が期待されるスケーター。フリーに向け「もちろん重圧はあるが、順位にかかわらず、自分のすべきことに集中したい」と気持ちを高めた。 (共同)

◆坂本最終22番、紀平19番

 女子SP終了後にフリーの滑走順抽選が行われ、2位の坂本が最終22番、5位の紀平が19番、首位のテネルが21番となり、いずれも最終組で演技する。8位の三原は16番に決まった。

◆宇野は最終組の19番

 男子SP終了後に9日のフリーの滑走順抽選が行われ、4位の宇野は最終組で最初の19番に決まった。7位の田中は18番、12位の友野は15番で1つ前の第3組で演技する。

 

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