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【芸能・社会】

名古屋・河村市長 座り込み「勝手に決めてとんでもない」表現の不自由展 再開に抗議

2019年10月8日 19時13分

愛知芸術文化センターの前で、「表現の不自由展・その後」の再開などに対して座り込んで抗議する名古屋市の河村たかし市長

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 愛知県で開催中の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」内の企画「表現の不自由展・その後」が8日午後、再開した。会場の愛知芸術文化センター(名古屋市東区)では、抽選当選を求めて正午ごろから長蛇の列。金属探知機チェックや手荷物検査が行われ、「美術展なのに、ものものしい」と来場者は目を丸くした。河村たかし・名古屋市長は「勝手に再開を決めてとんでもない。暴力も甚だしい」と県庁に向かって叫び、座り込みで抗議した。

 注目の再開日とあって、芸文センターには「休日よりも多く、平日では2倍の多さ」(スタッフ)の人が押し寄せ、熱気に包まれた。不自由展で展示されたのは中止前とほぼ同じ内容の16組23点。混乱を避けるため入場者を絞り、2回60人分の当選を求めて計1358人が列をつくった。ガイドから説明を受け、意見交換しながら約1時間、見て回った。

 大阪市の自営業女性(44)は初めて訪れ、「この展覧会も検閲された展覧会」と語気を強めた。再開を歓迎しつつ、主催者の協議を経たことに違和感も感じた。「電話攻撃は声が大きい人が勝つ風潮を認めることになる」と今後の影響を憂慮した。

 三重県菰野町の僧侶の男性(42)も不自由展を初めて訪れ、「天皇の作品はショックだったが、議論前にふたをしたことがだめ。公共の福祉と表現の自由の境界はひとことではいえないが、電話でつぶすべきではなかった」とかみしめた。

 萩生田光一文部科学相は8日、文化庁の補助金不交付について「愛知県に不適当な行為が認められたことによる。再開の有無とは関係ない」とこれまでの国の方針を堅持。「不交付は由々しき問題。偏った意見しか触れられなくなる」「後出しで認められず、ほかの芸術祭の前例になる」と怒り込める来場者もいた。

 再開反対派も会場を訪れた。三重県四日市市のミュージシャン(40)は「天皇を焼いた作品に怒りを感じる」と友人と日章旗を持って抽選を待った。会場前では、河村市長が代表を務める地域政党「減税日本」などの約50人が「ヘイトトリエンナーレをやめさせなければいけません」と訴えた。

 14日の閉幕まで1週間足らず。少女像や天皇の作品への抗議の電話が鳴りやまず、開幕3日間で不自由展が中止された。表現の自由の議論が列島各地で噴出し、訴訟、刑事事件でも注目された祭典は、66日目の5日時点で過去最高の54万人が来場した。不自由展中止に抗議して展示をやめたり、内容を変更したりした作家14組の作品は、ほぼ元の形に戻った。不自由展の入場者受け入れを閉幕まで徐々に増やしていく方針という。

 

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