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【芸能・社会】

高良健吾 本紙で語る「暴走する愛」 主演映画「アンダー・ユア・ベッド」19日公開

2019年7月17日 紙面から

映画「アンダー・ユア・ベッド」で最愛の女性を監視する異常者役を演じた高良健吾=東京都千代田区で(いずれも平野皓士朗撮影)

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 映画「アンダー・ユア・ベッド」(19日公開)に主演する俳優の高良健吾(31)は、かつてたった1度だけ、自分の名前を呼んでくれた女性に倒錯した愛情を持ち、次第に暴走していく孤独な主人公を演じた。高良が公開を前に、本作への思いと、熱を帯びた撮影現場の空気感を本紙に独白した。 (構成・三橋正明)

 出演オファーを受けて台本を読んで思ったのは、痛々しい脚本と映像ということ。想像し、主人公の「三井直人」をどう演じるか。三井を説明的な存在にしたくはないと思った。10代から20代に、(心が)ヒリヒリする作品に多く出演しましたが、しばらくぶりにそんな作品と出会えた。

 暴走していく三井君は特殊かもしれないが、(愛情表現として)この気持ちは分かる気がする。「ここまで行くのは純粋な狂気」だな、と。「純」というのはそういうものではないでしょうか。現実的にはそういう気持ちがあってもコントロールしなくてはいけないでしょう。でも映画は、コントロールできなかったから、思いがけない方向に行ってしまう、ということができる。

 「(強烈な印象の役柄から)役者としての新しい面が…」と言われるが、それは自分で言うのでなく、見てもらった人に言ってもらうことだと思う。だから、(理解を求める)説明的な演技にならないようにして、それでも観客の思考を連れていくことができればいい。

「心がヒリヒリする作品と久しぶりに出会えた」

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 安里(あさと)麻里監督とは、遠慮なく言い合えました。僕は芝居の前に話し合うことはしないタイプなんですが、安里監督は待ってくれていて話し合うんです。これは新しかった。寄り添ってくれていると感じた。これは共演の千尋役・西川可奈子さんやスタッフも含めてロケ先では一体感が確かに生まれていたし、作品への熱量が感じられた。

 僕は「役柄になりきる」ことを良しとはしていない。20代まではそれを求めていたかもしれないが、30代になり現場は「探す」作業だと思うように。グレーゾーンをあえて白・黒で切ってしまったらもったいない。今回現場では、監督、キャスト、スタッフみんなで探していた。これからもそういう積み重ねをしていきたい。

 この作品は見終わって、いろんな解釈ができる。当たり前ですが、否定もできる。見た人の中にはトラウマを抱く人もいるかもしれない。結論づける映画ではないと思います。描かれた「純粋の持つ危険性」はみんなの中にもあると思う。

 ◆映画「アンダー・ユア・ベッド」 原作は大石圭著「アンダー・ユア・ベッド」(角川ホラー文庫)。親、学校からも名前すら覚えられたことのない三井直人(高良健吾)が、たった1度「三井くん」と名前で呼んでくれた佐々木千尋(西川可奈子)。11年前、人生で唯一、幸せだった感覚を求めて三井は千尋を捜し当てたが…。監督・脚本は安里麻里、配給・KADOKAWA。R18+。

<高良健吾(こうら・けんご)> 1987(昭和62)年生まれ、熊本県出身。2005年、テレビドラマ「ごくせん」でデビュー、06年「ハリヨの夏で」映画デビューし、「軽蔑」(12年)で日本アカデミー賞新人俳優賞、「苦役列車」(13年)で同賞優秀助演男優賞、「横道世之介」(14年)でブルーリボン賞主演男優賞などに輝く。ほかに「シン・ゴジラ」(17年)、「万引き家族」(18年)など話題作出演多数。19年は「多十郎殉愛記」「カツベン!」などの公開を控える。

 

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