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【ドラニュース】

3秒に2球打つ…ソフト界のカリスマ宇津木元監督“中日キャンプ”へ 鬼の超速ノックにリーダーの厳しさと絆

2020年2月26日 紙面から

石橋(手前)にノックする宇津木妙子ソフトボール元女子日本代表監督(右)=北谷球場で(中嶋大撮影)

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◇龍の背に乗って <キャンプ編>

 横にいた僕は、ノックの鬼にスイッチが入るのが手に取るようにわかった。見学では飽き足らずに「もっと前へ!」。それでも我慢できずに横のスタッフに「手袋とノックバット持ってきて」。宇津木妙子さん。ソフトボール界のカリスマにはプロのノックが生ぬるく見える。「若い子を見ると鍛えたくなるの」と、指をポキポキ鳴らしながらグラウンドへ入っていった。高橋、井領、石橋に約20分。3秒に2球打つ超速ノックは、66歳の今も健在だ。それでも旧知の球団関係者は「ずいぶん優しくなりました。前は厳しすぎて、ソフトボールの練習を見てられなかったですから」と笑っていた。

 シニアアドバイザーの肩書を持つビックカメラ高崎が、北谷球場に隣接するソフトボール場でキャンプ中というご縁から、飛び入りノックが実現した。伝説の名将にずっと聞きたいことがあった。ソフトボール界の至宝・上野由岐子は右投手なのに左手で箸を持つ。それは宇津木さんの教えだという。

 「そう。上野だけじゃなく(前身の)日立のころからね。箸を使う細かい作業は神経にもいい。それに練習でも右で100本振ったら、左では倍の200本振れと教えてきたの。体のバランスが偏ってしまうから」

 左手を使うことで右脳を活性化する。想像力が豊かになり、ここ一番でプレーの選択肢が増えるのだ。あまたいる教え子の中で「それを一番わかっていたのが上野。あの子は時間をかけてゆっくり食べるから」。勝負の神は細部に宿る。

 僕の記憶が正しければ、宇津木さんが中日の選手を鍛えるのは14年ぶりだ。2006年に当時ルーキーの新井が受けた。何と2時間半! 泥だらけになり、必死に食らい付いたあの日から、宇津木さんの教え子になった。「良太、良太」とかわいがり、今回も中日より前に阪神のオープン戦を訪れている。グラウンドに立つだけで空気が引き締まる。それでいて厳しさが絆を生む。勝負の世界のリーダーとはかくあるべし…。

(渋谷真)

 

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