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【ドラニュース】

救援陣防御率4.93から3.32に向上も来季へは喜べない現状。2人の助っ人投手流出の可能性など不安は山積[中日2019検証・投手編]

2019年10月24日 21時29分

シーズン途中から抑えに起用、13セーブを挙げた岡田(右)

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 日本シリーズも23日に決着がつき、2019年のプロ野球の戦いは全て終了した。与田剛監督(53)の就任1年目となった中日は、夏場以降の奮闘もありクライマックスシリーズ(CS)まであと一歩に迫ったが、球団ワーストを更新する7年連続のBクラスにとどまった。成果があった一方、うまくいかないことも多かった。全3回の連載で今季の戦いぶりを振り返り、来季への課題を探る。第1回は投手編。

 7月12日、名古屋市内のホテルに中部の財界人が集まっていた。与田監督の後援会設立に伴う激励パーティー。出席したOBで本紙評論家の岩瀬仁紀さんは不意にこう尋ねられた。「抑え、誰がいいと思う」。与田監督だった。

 抑えのR・マルティネスがキューバ代表の活動で離脱する4日前のことだ。誰が代わりを担うのか。ロドリゲス、福、岡田、祖父江…。複数の候補の名が挙がっていた。

 「俊哉がいいと思います」。通算407セーブのレジェンドが推したのは岡田。指揮官は胸の内でうなずいた。「岩瀬もやっぱりそう思うんだ」。背を押されたわけではない。シーズン終了後、「ほかにも何人かに聞いた。俺の中では岡田に決めていたから聞いたんだよ」と明かした。

 なぜ、岡田だったのか。岩瀬さんは「自分が出したランナーでも人から引き継いだランナーでも俊哉は慌てない。それって、抑えをやるには大切なことですからね」と語った。では、指揮官は。

 当初は開幕から5月末まで担った鈴木博の復調に期待した。ところが2年目右腕は2軍調整を経た7月3日の巨人戦(東京ドーム)でも1イニング2失点。「博志は間に合わないかもしれない」。この時点で腹を決めた。

 「岡田は空振りが取れるようになっていたし、左右関係なく変化球が使える。いろんな修羅場をくぐってきた経験値もある。あの時点では対応力が高いと判断した」。安定している福やロドリゲスの配置を換えたくない事情もあった。

 この決断が分岐点となった。ロドリゲスと福に加え、8月以降は藤嶋も勝利の方程式に定着。岡田は失敗を挟みながらも13セーブを積み上げた。9月にはR・マルティネスも戻ってきた。

 救援陣の防御率は昨季の4・93から3・32へと劇的に向上。これに伴い、チーム防御率も4・36から3・72に大きく改善された。1・64のロドリゲスを筆頭に福、藤嶋、R・マルティネスも2点台。CSを最後まで争う原動力になった。

 ただ、来季も盤石かと言えば疑問符がつく。東京五輪の影響で開幕が今年より9日早まり、利き手に血行障害の不安を抱える岡田、藤嶋は出遅れも想定される。経験の浅い福も今季後半の働きができるかは不透明。ロドリゲスとR・マルティネスは流出の可能性もある。抑えは決まっていない。

 阿波野投手コーチは「前半で結果を出せなかった連中が奮起してくれないと、チーム力は上がっていかない」と強調。鈴木博のほか、昨季終盤に抑えを務めた佐藤や経験豊富な田島らの復調に期待を寄せる。

 四球が減り、失点も減った。ストライクゾーンでの勝負を求めた昨秋からの取り組みに成果は出た。先発は大野雄と柳が規定投球回に達し、終盤には小笠原、梅津、山本と若い力が出てきた。

 「進んでいくための第一歩は踏み出せた」。与田監督は手応えを口にし、課題も見据えた。「1年間を通してすべて良いことは絶対ない。成績がうまくいかない中で、最小限に抑える方法を私が考えなければいけない」。2年目こそ、その手腕が問われる。

 

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