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【ドラニュース】

【龍の背に乗って】試合の中でカーブ試投 小笠原と今中さん エース級にだけ見える風景

2019年8月30日 紙面から

3回裏1死、青柳を3球三振に仕留めた小笠原=28日、甲子園球場で(七森祐也撮影)

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 小笠原には人には見えない風景が見えている。1年1カ月ぶりの白星を挙げた28日の88球。その中で僕が立てた仮説、推論を一夜明けて確かめてみた。「試合中にカーブを試してはいなかったか?」。彼はあっさりと肯定した。

 「ピッチャー(青柳)の場面ですよね? 他の球種に比べて、あまりしっくりきていなかったんです。右打者と左打者、それぞれに思った通り投げられるようにしようとはしていました」

 3回、1死。青柳を2球で追い込み、3球目は捕手の加藤のサインを拒み、カーブを投げた。ハーフスイングで空振り三振。序盤からストレートは走り、スライダーとチェンジアップは制御できていた。唯一、軌道が定まらなかったカーブを、2巡目以降に備えて練習していたのだ。続く4回2死。マルテへの5球のうち3球がカーブだったが、死球となった。

 「あれ、ワンバウンドで当たっちゃったじゃないですか。あそこでカーブは(大事な場面で使うのは)あきらめました」

 結局、カーブを10球投げたが、青柳以外はバットを振らせることができなかった(見逃しストライクが1球)。彼はあっけらかんと言うが、その試合に勝つために、目の前の打者に必死になるのが普通の投手だ。久々の白星が懸かっている試合中に試す? そんな投手が20年以上前にもいた。正捕手だった中村バッテリーコーチに聞いた話を、本人に確かめた。

 「ああ、8番や9番、それとカウントが有利なときに。そりゃそうでしょ。序盤は真っすぐで押せても、中盤からはカーブやフォークを使わないと。調子が悪いときには試していましたね」

 今中慎二さんはカーブの調子が悪い日には、立て続けに投げ、勝負どころに向けて微調整をしていたそうだ。「今」を戦いながら「先」を見据える。そこに配球はない。今中さんと小笠原。これが試合を支配するエース力である。

(渋谷真)

 

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