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【ドラニュース】

梅津やった!初登板初先発初勝利 勝利球は「自分で取っておく」

2019年8月13日 紙面から

中日−阪神 プロ初登板で初勝利を挙げ、ウイニングボールを手に笑顔を見せる梅津(武藤健一撮影)=ナゴヤドームで

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 遅れてきた大器がまばゆい輝きを放った。中日のドラフト2位・梅津晃大投手(22)が12日、阪神戦(ナゴヤドーム)でプロ初登板初先発すると、最速151キロの速球を主体に6イニングを4安打1失点。中日の新人では2016年の佐藤優以来3年ぶりとなるプロ初登板初勝利を飾った。

 マウンドで闘争心むき出しだった表情がぐしゃりと崩れる。やっぱり梅津には笑顔が似合う。「先輩たちとファンの方の温かい応援に助けられながら投げることができました」。つかんだプロ初白星の味をかみ締めた。

 許した失点は緊張でガチガチだった初回の1点だけ。以降は圧巻だった。最速151キロの直球を軸にテンポよく投げ込んでいく。2回の先頭・大山から4者連続を含む7奪三振。完全に虎を手玉に取った。6イニングを4安打1四球1失点。これ以上ない内容だった。

 試合後は歓喜のお立ち台。「あんなにたくさんの人の前で話したのは初めてです」。ウイニングボールをどうするか尋ねられると「自分で取っておきます」とちゃめっ気たっぷりに笑った。

 「もう一度同じ人生を歩めと言われたら絶対無理です」。苦難に耐えた野球人生だった。仙台育英学園秀光中時代は1学年下の佐藤世那(前オリックス)に次ぐ2番手投手。背番号1をもらった仙台育英高では最後の夏の直前に死球で左手首を骨折。県大会には間に合ったが4回戦で敗退。同校では12年ぶりに8強を逃し「しばらく立ち直れませんでした」。心配した父・滋さんに手を引かれて東京ドームへ都市対抗野球を見に行ったこともあった。

 親元を離れて進学した東洋大でもイップスに苦しみ、投げられない日々。野球を辞める決意で2年春、家族に電話した。すると「真剣に相談したのに父からは『俳優目指したら』って(笑)。その言葉に救われましたかね」。肩の力が抜けた。4年夏の全国の舞台では打ち込まれ、大学通算は1勝。それでも野球を辞めなかった。

 「結局辞める勇気がなかっただけです」。だが夢を追い続けたから得られた体験もある。今年1月に発症した右肩の故障を乗り越えて出場した故郷・仙台でのフレッシュ球宴。好投で優秀選手賞を獲得し、つかの間の帰省。「よかったね」。昨年10月に脳出血で倒れ、現在は自宅療養中の母・明美さんの声だった。まだうまく話せない母が必死に絞り出した言葉に「少し報われた気がしました」。この日は父と兄が現地で観戦。地元の自宅で妹とテレビ観戦した母も息子の雄姿を喜んだ。

 

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