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【ドラニュース】

井領の満塁一掃打で竜連勝決めた 5年目苦労人、ついに開花4安打

2019年6月13日 紙面から

オリックス−中日 8回表を終え、笑顔でベンチに戻る井領は与田監督に迎えられる(今泉慶太撮影)=京セラドーム大阪で

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 苦労人の一打が接戦にけりをつけた。中日は12日、日本生命セ・パ交流戦のオリックス戦(京セラドーム大阪)で好機で凡打を繰り返して苦戦。同点の8回、1死満塁で京田陽太内野手(25)が勝ち越し左前打を放つと、2死後に2軍暮らしが長かった井領雅貴外野手(29)が、この日4安打目となる走者一掃の三塁打で突き放した。6月初の連勝。交流戦3カード目で初の勝ち越しを決めた。

 耐え忍んだ苦労人の一振りが試合を決めた。1点を勝ち越した直後の8回2死満塁。打席には井領。「積極性が持ち味なので」。初球。真ん中高めに抜けたフォークを見逃さない。迷わず振り抜くと打球は前進守備の右中間を切り裂いた。この日4安打目は走者一掃の三塁打。食い下がる猛牛を振り切った。

 「まぐれです。普段通り、打てるところを積極的に手を出していきました。飛んだところがよかっただけです」。試合後の囲み取材。「慣れないです」と苦笑いした殊勲者は最後まで謙遜した。

 まさに大当たり。初回に右前打を放つと、5、7回には2打席連続二塁打。8回の三塁打も含め計4安打3打点の大暴れ。プロ入り初の猛打賞のおまけつき。13安打を放った打線の中でひときわ輝いた背番号26。与田監督も「いいところで打ってくれたね。ベンチで待機している間も声を出してくれていたし、チャンスをつかんでやっといい形に出たね」と褒めた。

 険しい道のりを歩んで浴びたスポットライトだ。社会人のJX−ENEOSでは7年間プレー。ようやく2014年に6位指名を受けた。飛び込んだプロの世界では大島や平田ら実力者の壁にはね返され続けた。

 度重なる足のけがにも悩まされた。昨季、両足の靱帯(じんたい)の部分断裂を負ったときは、足の神様で有名な愛知県日進市の白山宮足王社へ。千尋夫人に付き添ってもらい、松葉づえをつきながら参拝。丁寧に手を合わせた。

 年を重ねるにつれ、募る焦燥感。「今年が最後のつもりで絶対に後悔を残さないようにやり切ろう」。背水の陣で臨んだ5年目の今季は開幕から1軍に定着した。だが、5月に風疹を発症。自宅療養を余儀なくされた。その間も練習の虫に「休息」の2文字はない。動画配信サービス「DAZN」と契約し、他球団の投手を観察し続けた。24時間、野球のことばかり考える男を天は見放したりしなかった。

 

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